「輝く、第5回・偽ジェルソミーナ通信大賞」

発表です!


  

もう年が明けてから半月あまり過ぎているので、いささか間抜けですが、ようやく2003年の総決算です。
この2003年、皆さんにとってどんな一年だったでしょうか? そして良い一年だったでしょうか?

2003年もたくさんの映画を観ました。
寒くなるまでは、例年以上のハイペースで観ていたので「250本ほど観ることになるのかな」と思っていましたが、10月からがっくりペースダウンしてしまい、結局、200本ちょっとでした。まぁ、仕事が忙しかったので仕方ありませんね。観逃してしまった作品も多く、少し心残りですが、どうしても観たければまたチャンスは巡って来るでしょうから、そのチャンスを待つことにしましょう。

それではお待ちかね(待ってない?)、恒例の「輝く・第5回・偽ジェルソミーナ通信・大賞」の発表にしましょう。

まず、各賞から。

◆「韓国賞」…「おばあちゃんの家
韓国映画はたくさん観ました。
「猟奇的な彼女」の舞台挨拶に行き、生チョンジヒョンも見てきました(やった〜!)。そんな中でも「おばあちゃんの家」を選びました。ワガママなサンウと、田舎のおばあちゃん。なんとも言えない心の交流。そんな二人の思いが重なったときに、突然別れが...。これと言ってストーリーがあるわけでは無いのですが、涙なしには観ることができない作品でしたね。その他では、今年劇場公開予定の「クラシック(邦題:ラブストーリー)」「中毒(邦題:恋愛中毒)」もなかなかいい作品でしたょ。

◆「香港賞」…「インファナル・アフェア
これはスンナリ「インファナル・アフェア」に決定です。久々に重厚感に溢れる傑作でした。今後、続々と公開されるであろう続編も楽しみです。このストーリーに、このキャスト。ヒットすべくして、大ヒットしましたね(もちろん日本でも)。この先何年後にでも語り継がれる“伝説の作品”になるような気がします。

◆「中国(大陸)賞」…「再見・ツァイツェン〜また逢う日まで
これは最近観たので、印象を引きずっているような気もします。でもこれほど「泣けた」作品も珍しい、ほとんど号泣状態でした(恥ずかしながら)。「再見・ツァイツェン〜また逢う日まで」にします。ジジちゃんも子役にすっかり喰われてましたね。本当は「HERO/英雄」なのかもしれませんが、これにはちょっと期待が大きすぎて裏切られたような気がします。

◆「アジア賞」 
これは今年は該当作なしかなぁ。
「酔払った馬の時間」「サラーム・シネマ」はいい作品でしたけどね。

◆「日本賞」…「チルソクの夏
思わずほろっとしてしまうけど、爽やかでいい作品でした。ボクの気持ちが近い、山口と釜山が舞台だったせいもあるかもしれませんけどね。早く関西でも劇場公開してもらいたいですね。

◆「欧州賞」…「永遠のマリアカラス
こっちはレベルが高かったですね。選ぶのに困ってしまうほどですが「永遠のマリアカラス」にします。もちろんファニー・アルダンの素晴らしい演技と存在感に負うところが大きいですね。「人生は、時々晴れ」「28日後...」「WATARIDORI」もいい作品でした。

それでは、上位を発表しましょう。
◆「次点」…「トーク・トゥ・ハー」「シティ・オブ・ゴッド
大賞の次点を二つ。一つ目は「トーク・トゥ・ハー」。音楽が良かった。色も良かった。そして、素晴らしい恋のお話しだった。ここまで一途な恋は素晴らしい(ちょっと妖しいけどね)。
そしてもう一作は「シティ・オブ・ゴッド」このブラジルからやって来た快作には、正直度肝を抜かれました。目を逸らしたいんだけど、その気持ちとは裏腹に、目は画面に釘付けになってしまっている! そしてこの映画の世界へグイグイ引きこまれてしまいました。
両作品とも自信を持ってオススメできる映画です。リバイバルがあれば是非どうぞ!

次に個人賞の発表。
◆「男優賞」…ティモシー・スポール
ボクに最も強い印象を与えたのは、間違いなくステファノ・カセッティ(「ロベルト・スッコ」)だけど、敢えて今回はティモシー・スポール(「人生は、時々晴れ」「ラスト・サムライ」)にします。「人生は〜」は何ともパッとしない冴えないタクシー運転手を上手に演じていましたね。何となく、ボク自身と姿を重ねてしまいました。

◆「女優賞」…チョンジヒョン
これはもう、今年最もボクを熱狂させたくれたチョンジヒョンしかいないでしょう。ほんとうに「旬」の女優さんだと思います。香港でも、何種類かのCMに起用されているようで、あちこちでポスターを見かけました。「猟奇的な彼女」はDVDまで買ってしまいました。秋に韓国で公開された「四人の食卓」、2004年に公開予定の新作も楽しみです。年末のソウルでチョンジヒョンの卓上カレンダーを仕入れてきました(アパレルメーカーの「GIORDANO」製です)。

◆「行ってみたい都市大賞」…キシュ島(イラン)
これが難しい。どこも行ってみたいけれど...。ブラジルのリオデジャネイロ(「シティ・オブ・ゴッド」)にも行きたい。でも、インパクトとしてはやっぱりキシュ島でしょうか。この島を舞台にした映画は何作か観ていますし、いつかほんとに行ってみたいですね。

◆「輝く・第5回・偽ジェルソミーナ通信・大賞」…「一票のラブレター
どうしてこんな地味な作品を選んだのか不思議に思われるかもしれませんが、静かでほのぼのとしてそして微笑ましい。思わず応援してあげたくなる。そんな、身近な親近感を覚える映画でした。是非、一人でも多くの方にご覧いただきたい佳作だと思います。嫌味なところが全く無いのも特筆できますね。

上記の選には漏れましたが、この他にもいい映画、楽しい映画、オススメの映画はたくさんありました。
「8人の女たち」は実力派の女優連が圧巻でした、「僕のスゥイング」はほのぼのとした一夏の幼い恋、音楽も良かったですね、「素足の1500マイル」はオーストラリアについて改めて教えられました、「バルニーのちょっとした心配事」は洒落た欧州映画、マリー・ジランがかわいかったですね。圧倒的な迫力だったのが「WATARIDORI」、爽やかな内容で名前負けしなかった「ベッカムに恋して」、ひたすら底抜けに楽しかった「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」、芸術家の激しい一面を見せつけられた「フリーダ」、かわいい子役でしたね「名もなきアフリカの大地で」、インパクトが強かったのは「28日後...」と「BULLY」でした。今年はアニメもたくさん観ました、いつまでも印象に残る「ヤマムラアニメーション図鑑」、こりゃタコかいな「Hello! オズワルド」、「キリクと魔女」もいい作品でした。


2003年は4月にレスリー・チャンが非業の死を遂げ、12月には彼の親友アニタ・ムイも癌で亡くなってしまいました。淋しい限りです(合掌)。

さぁ、2004年がスタートしています。 大作では「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」と「ハリー・ポッター」の第3作が公開されます。その他にも続々と途切れることなく新作が上映されることでしょう。
今年は今までのように数を観るのは苦しいかもしれません。前評判で選んで観ることになりそうです。でも映画って、ちっとも期待せずに観た作品にも捨て難いものがあるのも確かです(そんな時には、ごっつい幸せな気分になれます)。いい映画に巡り合うには、やっぱり時間を作ってせっせとスクリーンへ通うしかなさそうですね。

まぁ、ホントに何時まで続くかわかりませんが、2004年も「偽・ジェルソミーナ通信」をよろしくお願いします(ご意見・ご感想も大歓迎です! お待ちしています!)。

おしまい。