「ハッピー・エロ・クリスマス」

おばぁちゃんが心配するぞ


  

続けてMega Boxで観たのは、チャテヒョン(「猟奇的な彼女」のキョヌ役の人)の新作。
観たのは大晦日の前日だから、このクリスマス映画は、もうちびっと時期外れかな。それでも、小さいスクリーンでしたが半分弱ほどお客さんが入っていました。
正直に言うと、まぁ、どうってこともない。お気楽なコメディ映画ですね。
クリスマスの前に仲の良い恋人が、片寄せ合ってクスクス笑いながら観るのには最適(大きなハートが付いたセーターを着て)ですね。しかし、年末も押し詰まった日の夕方に、おっさんが一人で観る映画ではないような気がしました。

出演しているのは、チャテヒョン、相手役にキムソナ、そしてチャテヒョンの恋仇役には「ボリウルの夏」に出ていた「韓国の丹波哲郎」(ボクが勝手に言っているだけです)ことパクヨンギュ 。
著名な温泉地・忠清南道儒城(ユソン)が舞台。
冒頭に出てくる婦人警官の着ぐるみには笑わせてもらいました。この街の警察署に勤める新米警官がチャテヒョン。彼がふとしたきっかけで知り合うボーリング場の受付をしているのがキムソナ。そのボーリング場のオーナーで、ヤクザの親分がパクヨンギュ 。

ストーリーそのものは、特に語るべきものもないですが、妙な部分に感心してしまいます。
キムソナの友人がデパートの駐車場係をしている(この人が出場する、美人コンテストはなかなか面白い!)。そう言えば昨夜通りかかった新村の現代百貨店で、氷点下の寒空の下、百貨店の駐車場の入口には綺麗なお姉さんが制服のコートを着てクルマでやって来たお客さんに笑顔で駐車券を渡していたなぁ。ほんまに、ご苦労さんなことです(よっぽど、人件費が安いんやろうな)。それも、背が高くて美しい方ばかりでした。後で聞いたお話しによると、デパートにクルマで乗り付けて、日用品や食料品を買い物をすることが、一つのステータスシンボルになっているそうです。だから迎える方も気合が入っているんやなぁ。
パクヨンギュが事務所でくつろいでいるシーンが、何カットかあるんだけど、この丹波哲郎、必ず映画を観ている。その映画が、韓国映画だけでなく、韓国でそこそヒットした邦画「Love Letter」や「クラシック」(たぶん)だったのには、面白かったというか感心しました。

ほんとは群像劇にしたかったのかもしれない、チャテヒョンを中心とする妙な三角関係の他に、高校生のグループ交際(?、もう死語?)や、ピンク映画を撮るために出演者を口説いている妙なオヤジのエピソードが織り交ぜられている。
それぞれ使い方によっては面白いものになりそうに思えた。本来は、これらのエピソード全てがクリスマス・イブに向かって、一気に収束して行き、弾けるような構成にするべきだと思う。だけど実際は、各々のエピソードが交じることなくバラバラに映画の中で意味なく独立しているので、全然生きてこないのが惜しい。高校生のエピソードはそれなりに面白かったのになぁ。
これなら、チャテヒョンのお話しだけに絞った方が良かったかもしれない。

肩の力が適度に抜けて、それなりに楽しめる作品にはなっていますが、それだけですね。日本での劇場公開はどうでしょうか? ちょっとしんどいかもしれません。

この日は、3本の映画を観ておしまい。COEXがある三成のすぐ近くにある新川で買い物をしていたら、こんなところにも日本の方がちらほら歩いているのには驚きました。この新川も意外と人気があるのかなぁ。ここにも駅からすぐ近くに割と大きな繁華街(飲み屋街?)があるのですょ。寒さに震えながら歩いていると、携帯電話が鳴り、遅い時間から新村で飲むことになりました。
この時、韓国では「鳥インフルエンザ」「豚コレラ」が猛威をふるい、その上アメリカでは「狂牛病」とトリプルパンチ状態でしたが、はやっている「焼き物屋」は、そんなことお構いなしに大繁盛していました。
この晩は「約束」「晩秋」ネタで大いに盛り上がり、新村の夜はしんしんと冷え込みながら更けて行きました。

これで、年末の香港・ソウル・レポートは終了。同時に2003年版の「偽ジェ」も終了です。お付き合い有難うございました。
次回は2003年の総括を報告し、それ以降は2004年版、いつものように大阪で観た映画のレポートに戻ります。

おしまい。