「Road to J1! 〜 サンフレJ1昇格日記/11月」

11月16日

みなさん、ご声援ありがとうございました!
紆余曲折、なんとか我等がサンフレッチェ広島がJ1復帰を決定!

昨年、ほんのちょっとした気の緩みからJ2に降格してしまってからちょうど1年。
臥薪嘗胆。長くもあり、短くもあった1年だった。この1年間、クラブも逞しくなったかもしれないけど、最も逞しく成長したのは、間違い無く、熱き思いでクラブを選手をサポートし続けてきたサポーターだと思う。
この1年間は、まるで行き先がわからないジェットコースターに載ったようなものだった。

開幕戦でフロンターレ戦で出鼻をくじかれた(引分け)ものの、その後は10連勝。同時に降格したコンサドーレの不調もあり「J2に敵なし。J2組し易し」という印象だったのに、8月には絶不調に陥る。
勝てない日が続き勝点が伸びない。順位もずるずる落とし、3位にまでなった。本当に苦しい日々だった。正直言って「J1復帰は幻か...」と諦めかけていた。そんなクラブを支えてきたのは、熱き思いを絶やさなかったサポーターに他ならない。

思い返せば、8月末のビッグスワンでの敗戦。
あのゲームを目の当たりにしたサンフレ・サポーターの胸の内は言葉にならないものがあったはずだ。
一月後、そのアルビをホームのビッグアーチに迎えての一戦。胸が熱くなった。「まだ、行けるかもしれない」。それは、ゲームに勝利したことやプレーの気迫からだけではなく、ビッグアーチを埋めた大勢のサポーターが醸し出す熱気から可能性を見出したのだ。広島という街がサンフレをまだ見捨てていない。チームタオルが乱舞するスタンドを見て、ボクは胸を熱くした。

どん底に突き落とされて、かすかな光を見つけて、熱狂する。そして今日の歓喜!
あぁ、ボクは幸せ者だ。

今日のゲームは、だらしのない、ある意味「いつものサンフレ」だった。完全に「受け」に回ってしまい、特に先制してからはさっぱり。いつひっくり返されても不思議ではないゲームだった。サガンとは圧倒的な力量差がありながら、そのおどおどした試合運びは、とてもJ1へ昇格するチームのものではなかった。強いクラブとのゲームでは驚くような力を発揮するのに、弱いクラブとの試合では目を覆うようなプレーに終始してしまう、サポーターなら誰でも知っている「いつものサンフレ」だ。
勝利の匂いはかすかだった。ボクはTVの前で、昇格うんぬんよりもこの日の勝利のみを祈っていた。
しかし、いつもは他会場の途中経過を流さないスカパーが、この日に限ってアルビとフロンターレの動きを速報してくれる。後半も押し詰まって、なんとアルビは負けている、フロンターレは追いつかれているではないか!
今日のゲームが始まるまで、アルビが断然有利だった。サンフレが復帰を決めるには、サンフレが勝って、フロンターレが勝たないことが条件だった。常識的にはフロンターレがベルマーレに勝てないとは考えにくかった。それなのに、伝えられる途中経過は、なんと2-2のドロー。
サンフレはもうちっとも攻めていない。じっと耐えているだけだ。コウジに代わって八田が入る。そして沢田。沢田は特に目立ったプレーをしたわけではなかった。でも、沢田の気持ち、小野監督のハートから伝わって来るものがあった。

やがてどうにか、ロスタイムも終了。あわててリモコンを操作する。うなだれるフロンターレの選手が写される。素早く、チャンネルを戻す。
声にならない声が出て、恥ずかしながら熱いものがボクの頬を伝う...。

公太の、健ちゃんのインタビューを聞きながら感動に浸る。

ボクは幸せ者だ。心の底から愛するクラブがある。

本当は、胃が痛くなるような思いをして、青ざめ、怯えながら等々力のスタンドに立っていたかったような気もする。胸が一杯で、息をするのも苦しくて、ゲームが始まる寸前にはお腹が痛くなるような緊張感を味わいたかった。
でも、それは贅沢な思いだ。来週は今年一年J2で闘ったサンフレを優しい思いで見守る。
そして感謝したい。「ありがとう、サンフレッチェ」と。

J2の長いシーズンが終わろうとしている。

11月08日

長い。実に長い90分だった。
劇的な勝利だけど、身体とハートに悪いよ。
ある意味「情けない」ゲームをしてしまったとも言える。

膠着状態で前半を終了。後半に入っても ボールが足に付かない。前節のベルマーレと違い、モンテディオは「勝つ気」があるから始末が悪い。ひやっとさせられるシーンも数度。
前半機能していた左サイドの公太にまでもボールがまわらなくなり。右サイドの松下は相変わらずさっぱり。前かかりになり 真ん中で細かいパスを回そうとするけど、濡れてスリッピーなグランドでは思うに任せない。時折放つカズのミドルシュートだけ。
ここまで踏ん張ったのはディフェンス陣の頑張りのお陰だ。特に3バックに戻ってからケンちゃんがぐっと良くなってきた。以前のような輝きが戻ってきた(誉めすぎかな?)。

20分過ぎにセンタリング(なんと松下の早めのセンタリングだった)をマルセロ〜カズへヘディングでつなぎ、こぼれたところを大木が蹴り込み先制!!
「これで勝負あり」とボクも選手もスタジアムもテレビのアナウンサーも解説者も思ってしまった。そう思っていなかったのはモンテディオのプレーヤーだけ。
その「思い」が実るところにサッカーの怖さがある。八田(やつだ)の交代がその象徴だったような気がする。
もうタイムアップかという時に気が弛む。ゴール前に投げ込まれたスローイン、八田が身体を開いてしまう。その刹那、放たれたシュートは下田の手の先をかすめてゴールへ吸い込まれる。
「虚脱感」。そんな言葉が身体中を駆け抜ける。
この手から勝点2がするりと落ちてしまった!

ロスタイムは3分。

ボクは、もうアカンとあきらめていた。
相手ゴール前で、八田がロングスロー。それに競り勝ったボールがこぼれる。そこへスライディングしながら飛び込んでいったのが途中交代で入った松浦。相手ディフェンダーと絡みながら、力のないひょろひょろっとしたボールが転がっていく...。

サンフレの運命をわけるボールが、そのままゴールに転がり込む。
「奇跡が起きた!」

今日はアルビもフロンターレも苦しみながら勝った(サンフレの味わった苦しみとは比ではないけど)。順位も勝点差も変わらず。
次節、サンフレが勝ち、フロンターレが負けか分けなら、アルビの結果に係わらず、その時点で昇格が決まる!
さぁ、あと2ゲーム。いよいよ大詰めだ!

211000
010210
001012
アルビレックス85918988878685
サンフレッチェ83898786858483
フロンターレ81878584838281


11月03日

とうとう11月。泣いても笑ってもこの一月、残り4ゲームで決まる。

予定はしていなかったけど、もう居ても立ってもいられなくなり、長駆広島スタジアムまで出掛けた。
11月に入ったというのに、春のような暖かい陽気。半袖で観戦。去年もこの時期、ヴィッセル戦をビッグアーチへ観に行った。あの時は必勝祈願で宮島の弥山に、初雪が舞う中歩いたのになぁ。

立ち上がりから気合が入っていた。どことなく「今日は違う」と思わせるものがあった。
なのに、ゴールを割れないまま時間だけが過ぎていく。すると弱気の虫が頭をもたげる、「これでカウンター喰ったら最悪やん」って。いらいらしながら時間だけが経過する。「これだけ攻めて、前半は無得点か...」と諦めかけた刹那。相手ディフェンダーのミスにつけこんで、マルセロがゴール!!!
決して綺麗なゴールではなかった。でも、そんなことはどうでもいい。相手のゴールにボールを蹴りこむことが大事なんだ。
右サイドをディフェンダーの井川が持ち上がりセンタリング。こぼれ球を大木がシュート。ゴォーーーール!!!

今日は、来て良かった!

後半に入って、取れるだけ取って欲しい。なんとか得失点差を一つでも多く積み上げて欲しい。ベルマーレはもはや勝とうとは思っていないんだから。貪欲にゴールを狙って欲しい。
公太が左サイドで絶妙なパスを受け、スピードは感じさせないのに、ひょうひょうと交わして逆のゴール裏へふわりとした折り返し。これに中山がかろうじて頭であわせて、ふらふらとゴールへ。GKの手の上を越えて、そのままゴールイン。「決める」という事実が大切。これで元気も吹っ切れるのか。

その後、交替直後のユタカのシュート、さんちゃんのヘッド。惜しかった。ほんとは6点は取れていたと思う(これがあとあとで響かなければいいんやけど...、ちょっと不安)。

今日は、コウジと真中が故障でベンチを外れていた。それは仕方ない。
光っていたのは、どう見ても左の公太。彼がボールを持つとゴールの予感がした。井川を筆頭にリカルドも上村も頑張っていた。
反面、冴えないのが松下。我慢して彼を使い続けるのはどうだろう? 沢田か桑原を使って欲しい!

あと3ゲーム。モンテディオ、サガンそしてフロンターレ。全部勝つ。
この日はアルビは引分け、フロンターレは完敗。サンフレは2位に浮上した。
アルビとフロンターレには重圧がじわじわかかってきたようだ。
さぁ、本領発揮だ! やるのは今しかないぞ!

フロンターレ戦のチケットは買った。 等々力を紫で染め上げよう!!!

2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月

「2003年試合日程・結果」へ