「ひとめ惚れ」

大人の恋の味?


  

先週、「節分を過ぎたら暖かい」なんて言ってたのに、すっかり寒さがぶり返してきました。みなさん風なぞ引かずに元気にお過ごしですか?

今回ご紹介するのは香港の映画「ひとめ惚れ」。レオン・ライとマギー・チャンが主演のラブ・ストーリー。
レオン・ライとマギー・チャンといえばニューヨークを舞台にした「ラブソング」という映画がありますが、今回の「ひとめ惚れ」の舞台はサンフランシスコ。で、映画の会場はこれまた「毎度」の九条にあるシネ・ヌーヴォ。ここにもいつもお世話になっています。
毎日、朝2回の上映とレイトショーの上映で公開しています。封切り2日目だからか、それともレオン・ライの人気なのか、朝一番(10:40〜)なのに、25名ほどの入り。ヌーヴォにしては凄いね。しかも、みんな女性で、顔に「私、レオン・ライのファンです」って書いてある。時間ぎりぎりに着いたので仕方ナシに前から3番目の列に、ヌーヴォでこんな席に座るの初めてや!

お話は、シスコにでタクシードライバーをしているマギー・チャンがふとしたきっかけで、コンピュータ・プログラマーのレオン・ライと知り合うのね。二人はほとんど「ひとめ惚れ」状態。でも、二人はどちらかというと腰が引けたような付き合い方しか出来ない。マギー・チャンは一度離婚して、男に懲りてるし、10才になる息子もいる。レオン・ライはどこか、女性とは深く付き合いたいとは思っていない「めんどくさい」からだ。
お互いの、仲間や友人から暖かく見守られたり、励まされたりして、この恋が成就するかに見えかけたとき、レオン・ライの商売のつまずきから、破局してしまう。でも、諦めきれないレオンは...、って感じです。

レオン・ライが出てるから「玻璃(ガラス)の城」のような話かなと思うと、また違う。「大人同士のしっとりとしたラブストーリー」にしたかったんだろうけど、それは有る意味では成功してる。でも、ちょっと、話が大袈裟すぎるし、なんかマギー・チャンやレオン・ライの生活が良すぎてスンナリ入って行けない部分もあります(レオン・ライの家は凄いよ、一度でいいからあんな家に住んでみたい!)。

マギー・チャンが台湾人のお客を載せて、彼らの話す「北京語」が理解できなくて、通りかかった白人男性に通訳してもらい「中国人同士なのに通じないの?」ってあきれられるシーンは良かったね。

この映画、前回「パラダイスシネマ」ですればいいのに、と書いたけど、その通りで、上映が終わってロビーにでたら、あの小さいロビーにぎっしりと次回の上映を待つ人が! 立ち見ということは無いでしょうが、ほとんど席は埋まったやろな。
でも、決して、シネ・ヌーヴォが駄目な映画館と言っている訳ではありません。ヌーヴォでやった「コリア映画祭」とか「中国映画の全貌」のような企画はとても評価していますし、これからも頑張ってほしいと思っています。

ということで、甘い恋物語が観たい人にはお勧めですが、特にレオン・ライやマギー・チャンのファンでは無い方には割と退屈な映画なのかもしれません。興味がある方は覗いて見て下さい、しばらくヌーヴォで変則的な時間割で上映中です。

おしまい。