「祝祭」

韓国版・お葬式


  

最近、どうも腰の右側が痛い。時折、思いだしたようにぴりぴりと痛い。我慢できないような激痛でもないだけに、少し始末が悪い。運動不足かな?毎週山歩きしてるのになぁ。姿勢が悪いのか、はたまた仕事のしすぎなのか?

連休中に見た映画は韓国映画の「祝祭」。シム・ウナさまの「動物園の隣の美術館」にも劇中劇に出ていたアン・ソンギという男優さん(韓国映画界のトップスター)が主演していて、準主役で「西便制」に出ていた女優さん(オ・ジョンヘ)も出ています。
会場は「第6回西宮アジア映画祭」が開かれている「フレンテホール」。長いこと西宮市民してるけど、西宮でアジア映画祭をしていたことも知らなかったし、フレンテ・ホールという立派な会場があるのも知りませんでした。
250〜300名は入れるホールで「映画も上映出来る」という程度やけど、なかなか見やすい会場でした(映写技術はイマイチだけど)。ここに50〜60名程度の入り。もっと少ないと思っていただけにびっくりしました。でも、ここにも映画を観るのを、自分の家でテレビを見てるのと勘違いしているおばちゃんがいて、映画が始まってもしゃべってる。勘弁してほしいヨ。

中年の私小説家のアン・ソンギの田舎に住む母親が亡くなる。映画は彼の母親の葬儀の模様を克明に映し出していく。だんだん簡略化され、忘れられようとしている韓国の伝統に従った葬儀の方法や作法を記録する映画のようだ。しかし、それだけではなく、この母親を取り巻く様々な人間模様も同時に映し出される。葬儀は突然やって来るだけに、様々な血縁関係、地縁関係が、日時が前もって知らされている結婚式の時よりも鮮明に反映されるのだ(わかる、わかる)。アン・ソンギを慕う若い女性雑誌記者や、複雑な生い立ちを持つ彼の姪っ子(オ・ジョンヘ)の存在が上手い伏線にになって、人間・地縁関係を浮かび上がらせ、時に悲しませ、笑わせ、葬儀が進んでいく。
日本の葬儀はお通夜があり、翌日告別式。韓国も葬儀全体が終わるまで、約一昼夜の時間が費やされる。その間、喪主やその一族は対応に追われ、ふらふらだ。そして、気楽に訪れる都会からの会葬者たち。その対比が上手く表現されている。
結局、何も問題は解決しないのだが、大事もなく葬儀は終わる。そして、観ているこちらも、大仕事を終えて「肩の荷を降ろした」気分になるから不思議だ。

韓国の伝統的な葬儀を知りたい方(そんな人あんまりいないね)や韓国そのものに興味のある方には是非お勧めしたい作品です。次回はいつどこで上映されるのかは判りませんけど、ぴあなどを丹念にチェックしてみて下さい。

もうすぐ、大阪城ホールですね。今年も成功するといいですね。再見!

おしまい。