「LOVE SONG/ラヴソング」

テレサ・テンの歌声が聞きたい


  

折角の休日だというのに、朝から雨。前の晩から降っていたので「朝目が覚めて、がっかり」と言うわけではないけど、少し残念。
先週は、出張に出たり、飲みに行ったり、レイトショーを観たりで遅い晩が続いたので、珍しく「寝不足」。目が覚めると、もう7:30を回っていた。よく寝たなぁ。でも、外は雨。

雨だから、何もすることがない。することがない休みの日は、なんかちょっとイヤ。で、仕方がないから、以前録画したまま見ていなかったビデオを見ることに。
タイトルは「甜蜜蜜」。ずっと観たかったんだけど、上映されるタイミングが悪くて、今まで映画館では観ることができなかった作品。先日、NHK教育でノーカット・字幕で放映されていたのを録画しておきました。

この1月、2月は自分でもびっくりするくらいのペースで映画を観たんだけど、ほんとうに面白い映画、また観たいなと思った映画には巡り逢えなかった。そうそう出会えるものでもないけどね。歳取って涙腺が緩くなっているのに、涙を流すこともなかった。「初恋のきた道」も「愛情来了」も以前観たことのある作品だったしね。

「甜蜜蜜」。この映画、きっと涙を流すような映画ではないのだと思う。でも、マギー・チャンとレオン・ライが街角のショーウインドウに並んでいるテレビを見ているシーンでじーんとしてしまった(いい年したおっさんが、自分の家でテレビを見ながら涙ぐむなんて、ちょっと変やけど)。

マギー・チャンは不思議な魅力を持つ女優さん。揺れに揺れる「女心」(?)を見事に演じてる。
中華圏の女の人(女だけやなくて男もだけど)は一見感じ良さそうでも、妙に冷たくて取っつき難いひとが多いんだけど、それはガードが堅くて高いだけで、ほとんどの人は、一旦知り合ってしまえばほんとに人なつっこくて、いい人なんです。彼女の役柄もその典型的な女の人。
それに、お金をおろすわけでもないのに、キャッシュカードで常に自分の預金残高を確認するなんて、このあたりが計算高い「香港人(ホンコンヤン)」らしいよね。

この映画でレオン・ライは正直者の役を演じて、ずいぶん得をしてるよね。天津に残してきた彼女に、真実を告げる手紙を書き始めては破り捨ててしまう。彼女に送るプレゼントをマギー・チャンに選んでもらい、同じものを二つ買って、一つをその場でプレゼントしてしまう。怒るマギー・チャンの気持ちも判るんだけど、レオン・ライの気持ちも痛いほど判ります。天津の彼女にも、マギー・チャンにも正直になりたかったんだよね。

この映画の伏線にはテレサ・テンが上手に使われていて、今度中国へ行ったら彼女のCDを買おうか、なんて思いました。この映画のタイトルも(たぶん)彼女のヒット曲やもんね。こういう映画こそ、ひっそりとがらがらの映画館の座席で観たかった。残念。
ビデオでも十分に面白いので、ボクみたいに「何もすることがない休日」にでも一度ご覧下さい。オススメです。
香港ロケはほとんどが九龍の中心地で行われているので、香港に行ったことのある方には、目にしたことのある建物や看板がごろごろ出てきますよ。
エリック・ツァンが、今回はちゃんとした(ノーマルな)オッサン役で、今回も好演しております。

いつもは「ごっつい生活が良すぎて興醒めや」とか「話が出来過ぎてる」なんて書くことが多いのに、感動しちゃえば「何でも許す」って感じやね。

「偽・ジェルソミーナ通信」ではビデオやテレビで見た映画は紹介しないつもりだったんだけど、今回だけは、あまりにイイ作品だったので、例外としてご紹介させていただきました。以前、NHK教育の同じ時間に放映された、台湾の「恋人達の食卓」という作品。とっても良かったんやけど我慢したことがありました。

明日は、雨は降らないようなので、六甲に行って来ます。
再見!