12/29/2006・初雪ハイク ゴロゴロ岳

見上げれば初雪 有馬の湯で一年の反省を...


3年もご無沙汰しているとは...、初雪の朝に

数ヶ月前から身体の中に澱のようなものが溜まっていているような気がして、どうにもこうにも。思い切って汗をかいて、その澱を発散させたいと思っていた。フットサルでは息は上がってしまうけど、そんなに汗は出ないし、やっぱり瞬発系と山歩きは根本的に違う。
しかし、思っていただけで、なかなか腰が上がらない。ボクは休日でも早起きなので、出発しようと思ったらいつでも歩けたはずなのに、何だかんだ言い訳をして出発出来なかった。
すると、今回はどんな天の計らいか、予定していた釣行が悪天を理由に急遽キャンセルになり、ぽっかりと予定があいてしまう。こうなったら歩くしかないでしょ。吹きっさらしの海上でじっとしていても大丈夫完全防寒から、いつもの身軽な山歩きのウェアに着替える。それでも、何だか自分の心の中では踏ん切りがつかなくて、ちびっとぐずぐずしていた。でも、物入れから引っ張り出してきた軽登山靴に足を入れ、リースを締めると...。不思議なことに、気が入ってきた。
よ〜し、臨戦態勢は整った!

8月の末に扇の山を歩いて以来だから、4ヵ月ぶりか。靴の革がすっかり固くなっている、あかんなぁ。フットサル以来、ヒザの具合もあんまり良くないしな。そんな後ろ向きの思いばかりが頭の中を行き来していた。
足だけではなく、身体もアタマの鈍っているから楽勝コース。阪急の中で決めたのは、芦屋川から柿谷コースでゴロゴロ岳まで、その後奥池のバス亭まで出て、有馬に抜けよう。久し振りの汗と、この一年の垢を有馬の湯につかって流してしまおう! もっとも、そこまで決意しなければならないコースではないのだけど...。

芦屋川の駅で降りる。
この朝はストックもしっかり持参している。駅の北側にある公園、いつものベンチには他の人が陣取っている。ボクは花壇のふちに腰掛けて装備を整え(リースを締め上げて、スパッツを付けるだけだけど)、入念な準備運動とストレッチ。駅に着いてすぐに歩き出す方も大勢いるけれど、それはボクには出来ない。準備運動は必要だし、気持ちを入れ替える大切な儀式でもあるから。
鼻水が出てきたので、駅まで引き返してティッシュを買う。すると、今日もお仕事なのか、出勤していく人たちが改札をくぐっていく。本当にご苦労さまです。
すっかり明るくなって、芦屋川の流れに沿って歩き始めると、曇天の空からは何やら白いものが落ちてくる。舞っているという感じではなく、確かな意思を持って地上に落ちてくる。この冬は暖か目だったけど、とうとう初雪。初雪が降る朝に久し振りに歩くのは、なんとも素敵なことだ。

このコースの詳細は改めて書くまでもないか。ただ、この朝は間断なく降りしきる初雪に、柿谷コースの入り口まで高度を稼ぐ舗装道路を歩いている間にもすっかり白くなった。
ほぼ4ヶ月振り。その間ほとんど運動らしい運動もしていなかった。坂道を歩くだけで息が上がりそうになる。すっかり体力が落ちている。あかんなぁ。
柿谷からは山道に入る。周囲はうっすらと白く化粧。まるで、細かいカキ氷が降りしきっているようだ。明け方の強風はすっかりやんで、音も無く落ちてくる。ボクのヤッケもうっすらと白に染まる。

山を歩いているときは、たひたすらしんどいのか、それとも鼻歌を唸っているのか、何か全く別のことを考えているのか。それとも未知のコースであれば、今どこを歩いているのか、コースを誤っていないのか、地図を読みながらキョロキョロしているのか。今日は地図さえ携行していないけど...。
まず、考えていたのは、六甲で焼肉のタレをなめながら20日ほど冬眠していた公務員のこと。「これからは非常食には焼肉のタレやな」なんて新聞を読みながら思っていたら、実は一口ほど舐めて断念していたそうで、そのまま擬似冬眠に陥っていたそうだ。どんな方かもちろん知らないけれど、文字通り六甲を舐めていたんだろうな、とにかく生還されて良かったね。
その後、何故かアタマに浮かんでいたのは「巨人の星」。それは、こうして雪の六甲を歩いていると、あのマンガの中で花形満が、吹雪の六甲山中で特訓をしていたことを思い出してしまった。全くナンセンスな話しで、今までこの山の中で野球のユニフォーム姿を見かけたことは無いけどなぁ...。

今日はリハビリも兼ねた足慣らしだとは承知していたけど、とにかく歩みを止めずに歩き続けよう。やがて、見晴らし岩。ボクの記憶にあるよりも時間がかかった(実際の時間はそうでもなかったけど)。見下ろせば、苦楽園尾根の下のほう、柏堂の住宅地や西宮北高校、苦楽園中学の校庭も真っ白だ。雪の中だとうかつに座れない。立ったままポットから紅茶を飲む。蜂蜜入りの熱い紅茶が美味しい。普段は甘いものはとらないけど、山の中では飲むのは嫌いではないな。
やがて苦楽園尾根からの登山道との出会い。そして、ゴロゴロの三角点もすぐそこですね。全く意識していなかったし、ついこないだも歩いたのだと思っていたけど、ここ(ゴロゴロ岳)には何と3年ぶりでした。

奥池のバス停でなかなか来ないバスを待つ。すっかり冷え切ってしまった身体を有馬の金の湯ですっかり温めました。
まぁ、思いっきり端折ったコースで、何もバスに乗って有馬に行くまでもないかもしれないけど、折角だからね。帰りは宝塚までバスに揺られて帰りました。

06年の山行は結局、この日も含めてたったの7回だけでした。心を入れ替えて、07年はせめて10回は歩こう!

おつかれさまでした!

 

今回はコースタイムはありません

新しい靴も始めての雪 見晴らし岩もうっすらと初化粧