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三角点を通過してすぐ。あまりにも見事なのでパチリ。上手く撮れました。 |
ちょっとノビノビになっていた新しい軽登山靴の「慣らし運転」の二回目。
週末を前にして森の音さんから「土曜日どうですか〜」と連絡を頂戴し、よっしゃと出かけました。ボクの慣らしよりも、7月に屋久島へ挑戦するなっちゃんのトレーニングが主眼(?)。
岡山の後山、播磨の段ケ峰、笠形山、奈良の山などいろいろ考えたんだけど、移動時間が少なくて手近なコースがいいだろうと、webでいろいろ検索した結果、三田の千丈寺山(589m)に決定。メジャーなコースではないようでガイドブックなどには載っていないけれど、まぁ大丈夫でしょう。
1/25,000の地形図(藍本)を買い、webを熟読(?)してだいたいの見当をつけて出発!
天気が心配だったけれど、まぁなんちゅうか、日頃の行いがいいのでしょう。抜けるような青空に、遥か上空に薄いうろこ雲。なんだか秋の入口のようです。
森の音さん、なっちゃんを相次いで拾って三田へ。青野ダムのダム湖・千丈寺湖へ向かう。帰り道のことを考慮して、大堰橋のたもとにあるテニスコートがある下上野公園の駐車場。こんな早朝だもの、一台も停まっていない。
手早く装備を整えて、準備体操とストレッチで身体をほぐして舗装道路を出発。天気もいいし、思ったより涼しくて、なかなかいい具合。この日の入山口である北浦天満宮までぐるっと山塊を時計の逆周りにおよそ20分。これで関節にもオイルが回りました。それに、楽ちんだから口もだいぶ軽くなったよね。
道路から20段ほどの階段を上がると、すぐに天満宮。神殿にはいい根性をしてそうなワンちゃんがこっちを見てる。あんまり大きくないけど、放し飼いだし...。お参りもせずに右手にある登山道の入口へ。
ここには標識も何もなく、わずかな踏跡があるだけ。すぐにしっかりした道になるけど「私有地に付き入山禁止」の標識も。これはマツタケ時期限定ということで、そのまま進む。
5分もすれば大きな堰堤にぶつかり、これは右手に巻く。ここからしばらくは急斜面を這うように。すっかり口数もなくなる。頭の中には「大丈夫かなぁ?」なんて思いがよぎるけど...。露岩に低い木が這っている。
20分も頑張れば、ようやく稜線に出る。この季節、朝一番にコースを歩くとやっかいなのがコース上の空間に張り巡らされているクモの巣。露払いならぬ、クモ払いが必要だ。手頃な長さの枯れ枝を振り回しながら歩く。それでも払いきれなくて、帽子もメガネも顔もクモの巣だらけになる。ただ、ハエやアブはまだ夢の中だったのか、途中までボクの頭上をブンブン飛び回って煩わされなかったのは助かった。
もう少しで南側のピーク。大きい露岩が南側にせり出していて格好の休憩ポイント。腰は下ろさなかったけれど、一息ついて汗をぬぐう。眼下には青野ダムで堰き止められた千丈寺湖の湖面、三田のニュータウンが広がる。暑くはないけれど、もう少し風が吹いてくれてもいいのにな。
このコースの素敵なところ、ほとんど植生されていなくて自然林が多いところでしょう。南側のピークを過ぎた辺りから、高い木立に空を阻まれる。稜線をしばらく歩くと北側の展望が開ける箇所に出る。木立も途切れている。目指す千丈寺山はもうそんなに遠くない。
コースには、荷造り用のビニール紐がこれでもかという感じで木立に沿って結び付けられていて、これがボロボロになってちびっと痛々しいというか、見苦しい。
時計回りに左手を巻くような感じで稜線をつたう。
もう一度急登を繰り返すと、ぽっかり露岩に出る。まだ三角点の手前だけれど、ここが実質のピークと言っても差し支えないでしょう。ザックを降ろし、どっかりと腰を落とす。
上空はまだ上天気。ストーブを出してコーヒーの準備。森の音さんとここまで良く頑張ったなっちゃんは途中で仕入れたオムスビを頬張る。なっちゃんが準備してきてくださった冷凍甘夏の匂いに誘われたのか、頭上にはクマンバチがブンブンやって来た。
しかし、山の上で飲むコーヒーは格別。う〜ん、いい感じ!
たっぷり休息を取って、すっかり重くなった腰を上げる。
ほんの数分で三角点。三角点の奥に大きな岩が鎮座していて、その西側には祠が...。
この岩を踏み越えて縦走路は続いているのだけど、なんと巨大なスズメバチがブイブイ羽ばたいている。こいつに刺されたら命も危ないかもしれない。でも、こんな凶暴そうなルックスのハチがどうして“すずめ”というかわいらしい名前なのかな。クマンバチの“クマ”はまだ理解できるんだけど...。
どうにかこのハチさんをやり過ごして、コースを歩む。踏跡は間違いようがなく明瞭なんだけど...。
当初の予定では、このまま北へ主稜線をトレースして、出会う峠道を西へ折れて上青野の集落に出るはずだった。でも、導かれるまま進むコースは右手(東)の方角にある薄暗い谷へ吸い込まれるように続く。
どこでどうコースを誤ってしまったのか?
鬱蒼と杉の植生が茂る谷を急降下していく。途中、ちびっこの祠のたもとにある水溜りにはおたまじゃくしか、それともイモリの赤ちゃんなのか。狭いプールにうじゃうじゃと、しかし元気に泳いでおりました。
頼りなく地図を広げるものの、今どこにいるのかさえよくわからない。いや、迷ってもたかが知れているという、根拠のない安心感があった。おかげで、この急降下する杉林の中の道をとんとん降りる。途中、森の音さんがずっこけたのはご愛嬌ですね。
で、降りてきた里は乙原。まるで逆だ。
ここからクルマが置いてある公園までの道路歩きが長かったし、余計だった。だいたい2時から10時ごろまで時計回りに、大きく今歩いてきた千丈寺山の裾野をぐるり。あれほど晴れ上がって爽やかだったのに、上空はすっかり雲に覆われてしまっている。
でも、歩くっていいよね。歩かないと仕方ないから歩くんだけど、上りでも下りでもないから、あれやこれやとおしゃべりに花が咲きます。
長い舗装道路の散歩が終わり、クルマに辿り着いたら、我慢しきれなくなった空から大粒の雨が落ちてきました。
今まで、三田の山はホームグラウンドの大舟山と羽束山しか歩いたことがなかったけれど、今回の千丈寺山。その懐の大きさに驚きました。こんないいコースがあるなら、三田の山ももう少しあるいてみようかな。
森の音さんもなっちゃんもお疲れさまでした。詰めが甘くてご迷惑をお掛けしました。森の音さんは腰の具合はどうですか? 自転車通勤で鍛えていらっしゃるから大丈夫ですよね。なっちゃん、足の爪はどうですか? 屋久島へは、やっぱりクツは自前で合ったものを買わないとあかんね。
ボクの軽登山靴、前回に較べるとかなり馴染んできました。もう一度歩けばすっかり手の内にはいるような気がします。
おつかれさまでした!
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