03/20/2005・おたふく山ピクニック

悪友カプと歩く


「ほんま、ようあるいたわぁ」達成感一杯のカプ(左)と小町さん

久し振りにパーティーでハイキング。
パーティーを組むのだけが久し振りなのではなく、山行そのものも昨年暮れの長崎・経ケ岳以来。ほんとに駄目ですね。
幸いなことに、登山靴はかびても腐ってもいなかった。ただ、前の晩に準備をしていると、ストーブのガスが残り少ないのに気が付いた。しまった、長崎空港でまだたくさん入っているガスを放棄してきてしまったのだ(飛行機には載せてくれないのです)。そんなことすっかり忘れてた!

今回は、悪友のデザイナー、カプとその友人でいつもお世話になりっぱなしの三国小町さんに誘っていただいた。今まで掛け声ばっかりだったけど、ようやく一緒に歩く。今回は珍しくそーさんも参加。
ボクも久々だし、早起きが苦手らしいカプのために立てた計画は、芦屋川をスタートして岩梯子を経由して荒地山から雨ケ峠を経て東おたふく山でお弁当、そして芦有道路に下りてバスで有馬へ至るコース(実際はバスで芦屋川まで戻って来たけど)。
単にハイキングだけではなく、岩梯子で変化をつけたつもり。高低差もしれているし、距離も短い。時間もスタートから最後のバス停まで、休憩時間を入れて4時間ほど。歩きなれている小町からは「物足りない」とか、口先だけのカプからは「有馬まで歩く」という声も聞こえていたけど...。

余裕のスケジュールだから朝の10時に阪急・芦屋川駅前の公園に集合。
いつものボクのスタートに較べると凄く遅い。4時間は遅いな。おかげで、ボクが単独で歩くときには絶対に目にしないような光景と出会えた。阪急の車内には「今から六甲を歩きます」と服装や持ち物で宣言している人が大勢乗っている。老若男女と言いたいところだけど、“老中男女女”って感じ(若者はいなくて、男女比も圧倒的に女性が多い)。服装もまちまちで、むちゃくちゃ気合が入っている人もいれば、ジーンズのスニーカーの方もいる。夙川・芦屋川・岡本・六甲・御影・王子公園・春日野道・三宮どの駅からも六甲へスタート出来るから、さすがにいろんな方がいるわけだ。事実、ボクもこれらの全ての駅からスタートしたことがある。でも、ボクが乗合わすのは、朝まで飲んでてへろへろって人か、今から須磨か淡路で海釣りって感じの人ばかりだけどね。
芦屋川でも多くのハイキング客が降りる。改札の北側にある公園は、そんな人たちの集合ポイントなってる。色とりどりのヤッケ。足元を見れば、履き慣れたシューズ、さらっぴんの登山靴などいろいろ。皆さん楽しそうにおしゃべりをしてスタートしていく。
ボクたちは少し早く着いたので、準備体操をしてストレッチ、そしてリースを閉め直して、スパッツを付ける。これで準備完了。

10時丁度に、カプと小町が到着。すぐにスタート。
生憎の曇天。無風。寒くはない。芦屋川に沿って北へ。サクラのつぼみが一目でそれとわかるほど膨らんでいる。市街地を15分ほど歩いて、城山方面へ右折。いよいよ、山道になる。
カプと小町がふだんどんなペースで歩いているかわからないので、まぁいつものボクのペース。飛ばすでもなく、這うわけでもなく。山道に入ると高度を稼ぎ出すので、だんだん無口になる。
今回は自分がコースを計画したし、慣れたコースだからほとんど地図が頭の中に入っている。ただ、記憶というのは曖昧なもので、人間苦しかったことなんてすぐに忘れて、楽だったことしか覚えていないものなんだ。「もっと楽やったとおもててんけどなぁ」なんて思いながら、途中幾度か小休止を入れながらずんずん進む。休憩するたびに見るカプの顔がどんどん赤くなっていくねぇ。こりゃ普段の運動不足がすっかりばれてますよ。すっかり無言になってるし。上りと階段に滅法“弱い”。
小町は、うんうん言葉通り歩き慣れてる。
城山のピークで先行のパーティに追いつく。この人たち、駅前で先に出発された方々ですね。ここから、奥に今から歩く荒地山、文字通り大きな岩がゴツゴツしているのがしっかりと見える。遠そうに感じるけど30分もせずに岩梯子の取り付きに着けるはず。

上り基調だけど、ダウンとアップを繰り返して、一汗かくと、上からかしましい声が降ってくる。先ほどの先行のパーティが岩梯子で苦戦している声だね。
「岩梯子」とは荒地山の南側の壁に連続している岩場で、切り立った岩に下から切れ込みが足場状についていて、その次はロープを頼ってよじ登り、最後は岩のゲートをくぐるという箇所。ほぼ垂直に15メートルほど登ることになります。
ここを降りるのはちょっと技術(と勇気)がいるけれど、登りはさほど難しくはありません。心配性の方のために巻き道の迂回路もありますからご安心を。
この岩梯子が本日のハイライトですね。「危険なところが好きなんです!」と小町は軽々と越えていく。カプもどうにか通過。良かった!
後続がどんどん来るので、達成感に浸る間もなく、立ち止まらず歩みを進め、岩梯子から10分もすれば、ようやく荒地山の山頂。ここで大休止。時計を見ると、予定より20分ほど遅れてる。
途中、まだまだ春の手前なのに、ミツバツツジが何輪か濃い藤色の花を開いていた。ツバキも少しだけ残ってましたね。でも、あんまり楽しむ余裕もなかったのでしょうか、息も絶え絶え?
この荒地山の頂上からは、北西の方向に、枯れ野が広がる東おたふく山の姿がちょうど望めます。下って登ってになるけど、ここから40分ほどかな。さぁ、もうひと頑張り!

荒地山を下り、ロックガーデンを経てくるメインのコースと合流。ここからしばらくは谷沿いになり、今までの乾いた尾根筋とはちょっと違う。そろそろお腹の虫も唸りだしてきたみたい。
カンツリークラブのゲートを二ヵ所経て、そろそろきつい上りが飽きてきた頃。ようやく雨ガ峠の東屋が見えてきた。
正直言って、記憶にあるこのコースよりもずっとずっとしんどかった。「あれ?こんなハズでは...」という思いがずっとあった。これはボクがいかに山から遠ざかっていたかの証明でもありますね。
雨ガ峠から進路を右に取り、階段を上り詰めると、いきなり笹とススキの高原。そしてどこからかハーモニカの音色が。あぁ、これは「オースザンナ」ですね。そうそう、おたふく山の頂上はフォークダンスを踊るのが似合ってるで(もし、実際に踊ってたら、怒ってた思うけど...、それとも羨ましいと思ったかな?)。
高原の下の段を通り越し、もう一度階段を上がりきると...。

ようやく今日の目的地・東おたふく山へ到着! 
予定より30分以上遅れているけど、まぁ、後の予定が詰まっているわけでもなし。ちょいとした開放感。まだまだ冷たい早春の風が草原を駆け抜けて、火照った頬に気持ちいいぞ!
さぁ、お弁当を食べよう!

リハビリにはもってこいのコース。足慣らしの割には弱音を吐きそうになったけどね。
芦有道路のバス停まで下りる。下りは楽そうに見えるけど、膝に来る。帰りはバスが正解やね。運良く座れたし。

カプも小町もこれに懲りず、また歩きましょう!

おつかれさまでした!

 

芦屋川駅10:05〜城山10:45〜岩梯子取付11:00〜荒地山11:40〜雨ガ峠12:20〜12:50東おたふく山13:30〜東おたふく山登山口バス停14:15

 

カプが石梯子に挑戦中です 汗が引くとさすがにまだ3月、風が冷たい!