先週に続いて、今週も遠征です。滋賀県の湖西線沿線・近江高島から比良山系の北端「蛇谷ケ峰・901.7m」にチャレンジしました。
滋賀県のやまとは相性が良くなかったのですが、今回はごっついいい天気で、素晴らしい冬晴れの比良を満喫することができました。
スーパーカブに乗って自宅を出発したのが5:00。JR甲子園口から同駅の始発電車に乗ります。京都まで行って湖西線へ乗り換え、7:30ごろに近江高島に到着です。江若バスに乗り換えて、終点の畑まで行き、ここが今日のスタート地点です。
気温は3度ほどとちょっと低めで、陽が当たっていない場所には霜が光っていますが、上空は良いお天気で、澄み切った青空が広がっています。
バスの停留所に荷物を置き、装備を整えたり、準備体操をしていると、バスの運転手さんが話しかけてきます。朽木村ではクマが出るそうだ、なんて怖い話しを。そうすると、村のご老人達が5、6人集まってきて、どこから来たのか、どの山に登るのかなどと尋ねられます。
「ごくろうさんやね」という言葉に見送られて出発です。
しばらくは川沿いの道を行きます。やがて、田んぼが途切れ、植生の森に入る頃には山道の始まり。一旦舗装道路に飛び出して、この道を横切り、谷沿いに暗いけどしっかりした道で高度をかせいでいきます。やがて、谷から離れると自然林も混じった林の中をつづら折りに進みます。ふわふわの落ち葉を引き締めた道を軽快に登ります。ほんとは一息つきたかったんだけど、落ち葉の絨毯の誘惑に負けてどんどん足が勝手に進んでしまうのです。
紅葉が終わるとどうなるんだろう、なんてこないだ考えていたんだけど、答えは簡単。みんな落ち葉になって積もるんだ。そして、葉を落として針金のような枝が空に突きだしていて寒そうです。そのぶん、遮るものはなく、森の中は夏の何倍も明るいのです。
登山道を遮る大きな倒木を「よっこらしょ」とまたぐと、あと10歩でボボフダ峠に到着。もう汗びっしょり。気温も8度まで上がって、顔を汗がつたうほどです。ザックを降ろして小休止。
ボボフダ峠からは尾根筋を伝う稜線歩き、右手は視界が広がって、さきほどバスで登ってきた谷筋や高島や安曇川の町が見渡せます。上空は澄み切っているのに下界は薄いもやがかかっている。
滝谷の頭(かしら)というピークを過ぎ、なだらかな登りの一本道を歩いていると、10メートルもない場所からガサガサっと音がして「ケェーン」という甲高いいななきを一声残して、野性のシカが3頭すごいダッシュで谷を下って行きました。一瞬の出来事で、バンビちゃんたちもびっくりしたでしょうが、ボクも麓でクマの話しを聞いていただけに、腰が抜けるかと思うほどびっくりしました。その後も、今日はよくシカの姿を見かけました。
やがて、木立より笹の方が多くなり、木立の高さが目に見えて低くなると山頂へ到着です。風がほとんどなく、カスミで下界の視界が効かないのは残念ですが、それでも気持ちのいい山頂です。
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快晴、無風の蛇谷ケ峰山頂 |
振り返れば武奈ケ岳を頂点にする比良の主峰へ続く稜線が見え、いつかは比良縦走を狙いたいという気にさせられます。琵琶湖の方を見るとリトル比良が霧の海の中で顔を出しています。遠くには山魂が見え、あれはひょっとしたら先日汗を流した横山岳でしょうか?
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南を見れば武奈ケ岳への縦走路 |
リトル比良は霧から顔を出しています
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お湯を沸かして日清ごんぶとを食べていると、別々に夫婦のハイカーが二組上がってきました。静かな蛇谷ケ峰もなかなか人気があるようです。
コーヒーを入れてのんびりしていると、琵琶湖からモヤがぐんぐん上がってきて、あっと言う間に山頂は霧の中に包まれてしまいました。モヤが上がってきたなぁと気が付いてから、山頂付近が薄暗くなるまで10分もなかったでしょう。やまの天気の急激な変化は驚くばかりです。陽が遮られて寒くなってきます。
もう今日は下るばかり、急坂を朽木スキー場まで駆け下ります。雪の無いスキー場は何か淋しいですね。トンネルを越えて林道を下ります。このまま林道を降りる予定でしたが、舗装道路を歩くのは味気ない。何度かのカーブを歩いてから山道へエスケープルートを見つけます。ところがこの踏み跡もあっと言う間に無くなって後は道無き道を林の中をどんどん進みます。しまったなぁ、と思うけどもう遅い。やがて崖を落ちるように下るとダートコースになっている北谷林道が見えてくる。ほっとしたなぁ。挿し木用にツバキの穂を採集して、そのまま林道へ。ほどなく道に合流して武曽口まで歩き、バスに乗って帰りました。
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武曽口バス停付近から今登った蛇谷ケ峰を振り返る |
今日の地図はエアリアマップ・山と高原地図#48「比良山系」です。 なんと、来週は徳川の埋蔵金を探しに上州・赤城山へチャレンジの予定!
おつかれさまでした。
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