今回観たのは「MUSA-武士-」、2001年の韓国映画。
梅田ブルク7で公開初日に観て参りました。ホントはこの日「ラスト・サムライ」を観ようかと思ったけど、ブルク7はまだまだ盛況。さすがに土曜だし人が多いね。数回先までほぼ満席らしく、結局この映画にし。
こっちは初日なのに狭いスクリーンで座席は半分も埋らない寂しさ。それもしかたないか、韓国映画で大作!って気はするが、実際観てみてそれほど凄い
映画とは思わなかった。
お話しは600年ほど前の中国を舞台にしている。
当時は朱元璋が元を中国から打倒し、明を建国したばかりの頃。元が故郷のモンゴルへ追いやられる一方、元に支配されていた朝鮮半島の高麗は、その支配から独立しようとしていた。ちなみに日本は室町幕府の初期、足利義満の頃ですね。
高麗は明との友好を保つ為、使節団を明へと遣わす。ところがこの高麗の使節団は外交も行えないまま、突然明に拘束され流刑されてしまうのだ。
使節団の一行は果てしない不毛の砂漠の果てへ流刑される。そこで突然、元の軍勢が襲撃してくる。明の役人達は皆殺にされるが、おかげで取り残された高麗使節団は解放された。
こうして思いも果せずに故郷の半島へ帰ろうとしていた使節団だったが、元の軍団が朱元章の娘を捕らえていたことを知る。そこで、一行はただ故郷へ帰るだけでなく、姫を助け、使節団としての使命をまっとうするという苦難の道を選ぶのだ...。
キャストは高麗の将軍にチュ・ジンモ。槍の達人の奴隷チョン・ウソンは「上海グランド」にも出てたらしい。この二人どちらが主人公なのか? どちらにも好感が持てないところに、今一つこの映画に感情移入できないところがあ
る。
他には弓の達人にアン・ソンギ、やっぱり一番渋いおっちゃん。あと明の姫役をチャン・ツィーが演じているが、この役にはまったく好感が持てないし、魅力がない、とても残念。
このお話しが、今一つ盛り上がらないと思えるもう一つの理由は、どうもスケール小さいからか。高麗、元、明、他にも中央アジアのイスラム系っぽい人が出てくるなど、多彩な登場人物と、さまざまな国家との政治的、人間的背景が描かれる割には、物語も戦いもやけに小規模。
なんと言っても、高句麗の一団は、ただひたすら元の軍勢から逃げ回っているだけ。それに元々使節団の一行だから小人数なのはしかたないが、そんな小人数に元の軍団が手を焼いているのもちょっと変。
あんなボロボロの小城なんてすぐ落ちてしまうやろ!とか思っていたら、何故か追いかけて来た元の部隊もやけに少ない。おまけに高麗の武将達もやたらメッタ強い、いったい一人で何人相手にしてるんや!
城は一向に落ちない。別に城が落ちてほしかったわけじゃないが、もっとこう駆け引きみたいなのが欲しかったなぁ。
歴史大作というより個人としての武士の生きざまとかそういうのを描きたかったのだろうか。
それが逆に歴史時代劇としては中途半端になったような気がする。
歴史的事実に基づいてはいるが、個人を重視するならもっとびゅんびゅん飛びまわるワイヤーアクションの方が楽しかったかも。
いやむしろ元とか明とかいう言葉に歴史モノを期待した僕が先走り過ぎたのかもしれないな。
せめてアン・ソンギは後の李成桂(高麗を滅ぼし朝鮮を建国した人)くらいのオチにもっていくような話がよかったな。
次回は「龍城恋歌」をご報告します。
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