「ドッグ・ソルジャー」

18/Nov./2003

  

今回は天六ユウラク座へやって参りました。ここで観たのは「ドッグ・ソルジャー」2001年のイギリス映画。
全然メジャーな作品でも無いし、他館の劇場でもやって無いし、誰も観そうにない実にマイナーな映画。僕も天六劇場前を通った時に貼ってあったポスターを観てその存在を知った。だけど実際観てみたところ、これがなかなかどうして久々に興奮させられた好感触の作品だった。

最初「ドッグ・ソルジャー」というタイトルを聞いて、犬と戦う兵士なのか? それとも犬の用に戦う(戦わされる)兵士の事なのか? よく解らなかったけど、実際観て見ると「ああ、なるほど」、狼人間の事だったのだ。

理由はわからないが、昔からスコットランドの奥地の森には、狼人間に変身する人狼の伝説があるらしい。
イギリスのある陸軍部隊がこの地へ訓練へやってくる。相変わらず軍服姿の外国人は誰が誰だか見分けが付かないなか、人物紹介も兼ねて兵士達の他愛の無い会話が繰り返される。この最初の部分はサッパリつまらん。お話しも遅々として進まず眠気を誘うのだ。が、いよいよ怪物が登場するにあたって俄然面白くなってくる。

突然部隊が何者かに襲われる。
その姿は容易に確認出来ないが、恐ろしいほど早いスピードで迫り、そして一撃で内臓をえぐられるほどの致命傷を受ける。しかも相手は複数いるようだ。 この突然の襲撃に、隊員達は驚き逃げ惑う。部隊は犠牲者を出しながらも、かろうじて通りかかった民間人の車に助けられ、なんとかその場を離れて麓の一軒家に逃げ込んだ。
ところがその人家には、人が住んでいる気配があるのに誰もいない。食べかけのパンやスープさえあるのに、まったく人影が無いのだ。襲いかかる謎の存在に恐れる隊員達は、すぐにでもその家を立ち去り救援を求めようとしたが、何時の間にかその家も人狼達に囲まれていたのだ。

ここからはもう迫り来る人狼と、弾が尽きるか命が尽きるか、生き残りを賭けた激しい攻防が始まる。入り口を硬く閉ざし、窓から銃を構え、なんとか人狼の侵入を防ごうと奮闘する。しかし銃弾も利かない人狼に、ひとり、また一人と仲間がやられていく。何とか奴らを倒す手段は無いのか? 兵士たちも策を講じて、生き残る手段を考える。しかしそんな中、意外な事実が明らかになってくる。

このひたすら銃を撃ちまくり、そして家の中を逃げ回る攻防には息を呑む。実にハラハラドキドキさせられた、久々の映画だ。まったくノーマークだった映画だけに、意外な面白さにかなり満足した。

果たして人狼の正体は?

まぁ、お話し自体はたいしたこと無いけど、観る機会があれば観てもいいんじゃないでしょうか。といっても観る機会がもうないかな、残念。

次回は「ブルー・エン・カウンター」をご報告します。