「サーカス」

02/Sep./2003

  

盛況を迎えるチャップリン映画祭もいよいよ今回で最後。
まずは「サーカス」1928年の作品、チャップリン39歳の時。「黄金狂時代」の次に撮られた作品。

タイトル通り、サーカスを題材にしたお話し。
いつものようにお馴染みの浮浪者のチャーリーが登場。これまたいつものように、ひょんな事から警察に追われる羽目になってしまう。そこで逃げ込んだのがサーカス劇場。
ここで警官との追いかけっこが騒動が観客の大爆笑を誘い、チャーリーはサーカス劇団に雇われることとなる。自分が人気者だということに気付かないままに彼は下っ端として扱われながらも、彼はサーカス一団を盛り上げる。
そんな中でまた団長の娘に恋心を抱くが、彼女は同じ劇団の若い綱渡り師の男に思いを寄せていた。

お話しとしても面白いし、サーカスという舞台がまたいろいろな演出がなされて楽しめる題材。
あやまってライオンの檻に入るシーンがあるが、当時としてはまだ合成技術などない筈だから、きっと実際に入ったのだろう。寸前までライオンが迫るところもあって、本当に命懸けの撮影だったのかナ。
若い綱渡り師が本番に姿を見せず、急遽チャーリーが綱渡りをすることになった。この綱渡りシーンは映画で一番の見せ場であろう。
「キッド」の時では、見え見えのワイヤーだったけどこの映画ではワイヤーはわからない。カメラのアングルからして、実際には高所で綱渡りをしてないんだろうけどなかなか興味深いところだ。おサルさんとの絡みがこれまた名演技。

しかし最後はいささか余分かな。
団長と喧嘩してサーカスを飛び出し、若い男と娘も後を追って抜け出して二人は結婚するというエピソードもちょっと長くて余計。でも、最後のサーカス一団が立ち去るソーンの馬車の雑踏はなかなか迫力あって良かったけどね。
そしてチャーリーはまた放浪を続けるのでした...。

続きまして「街の灯」です。