「ヤマムラアニメーション図鑑」

25/Aug./2003

  

盆休み。
折角の連休だけど、お天気の方はイマイチ雨が続いておりましたね。それでも僕は相変わらず映画を観てました。今回は千里セルシーシアターで「ヤマムラアニメーション図鑑」。
アメリカのアカデミー賞短編アニメーション部門ノミネート、フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭グランプリなど、内外の映画祭で賞に輝いた「頭山」のアニメーション作家、山村浩二氏のアニメ作品をA・Bプログラムの2回に分けて特集上映される企画。

「頭山」は是非観て見たいと思っていただけに、この企画は素直に嬉しい。
どれぐらいお客さん入っているかな? ありゃ、やっぱりセルシーは何時ものように人が少ないね。ま、この日は初日からもう1週間過ぎているからこんなものかな。
夏休なので珍しく子供さんの姿もちらほら。子供と同じ映画観るなんて、そういやぁこれが初めてかなぁ。

さて本編。
短編のアニメーションが合わせて17本ほど上映される。アニメと言っても“子供向け”なのか“大人向け”なのか? 正直どれも芸術作品で、中には眠たくなる(実際寝てた)ようなものもあったりして、これといって印象に残っていない。
これがヤマムラワールドなのかといわれると「あっ、そう」としか言えないなぁ。
技法的にも3Dとイラストが合成されたようなCGは目新しいものなの? だとしても、やはりさほど目をひくものでもない(ような気がする)。

やっぱり一番印象に残っているのは「頭山」かな。
ケチな男がサクランボの種を食べたために、頭に桜の木が生えてきたという、古典落語「あたま山」を題材にしたお話し。頭に生えた桜に花見客がどっと押し寄せるなんて、映像では見せられないもんだと思うけどそこは上手く観せてくれる。最後もちゃんとオチがあるしね。

まぁなんと言ってもなにより、この山村浩二氏が凄いのは、自分のタッチで描く絵を、他人に描かせるなんてもっての他だと、仕上はすべて自分で描き上げるらしい。「頭山」は10分ほどのストーリながら、その原画は1万枚以上。その全てを自分で起こし、編集するのは、ほんとうに気の遠くなるような作業だ。それを普段の仕事が終わった後に一人残って少しづつ作業し、制作期間は2年間だとか(数字はすべてうる憶えのテキトーなので間違いはご容赦ください)。

よほどアニメが好きなんやなぁ。
好きこそあれだけど、そんなに緻密な作業を飽きずにずっとし続けるなんて僕にはとてもとてもです。

またどこかで機会があったら観てみてください。

次回はまたチャップリン映画祭です。