「地獄甲子園」

22/Aug./2003

  

この日はシネ・リーブル梅田へやって参りました。観たのは「地獄甲子園」2002年の邦画。
原作は同名の漫画で、作者は漫☆画太郎(☆の中にFが付く)。カルト的な人気を誇る彼の作品は、僕も昔に「珍遊記」という漫画を読んでいたことがある。確か中学生だったかな。とことんバカげたギャグ漫画ながら、当時大爆笑してしまった記憶がある。

「地獄甲子園」そのものは読んだことはないけれど、漫☆画太郎の漫画だけに「そんな映画に人が集るのか?」と思ってしまう。ところが意外や意外、レイトョーにも関わらず若い観客層が続々と集っているではないか!
どうみても普段はメジャー系の映画しか観ないだろうというような若い子ばかりで、マナーの悪さを心配したがこれも意外と上映中はおとなしかったのにはオドロいた(まそれが当たり前だが...)。

さて“地獄甲子園”とは?

殴る蹴るは当たり前。果ては爆破・毒物などありとあらゆる手段で対戦相手を死に至らしめる。とんでもないルール無用の殺人集団、それが外道高校野球部。
「目指せ甲子園!」を合言葉に今日も練習に励む星道高校ナインだったが、予選1回戦の相手はなんとこの外道高校!
「勝ち目は無い...」とおじげづく星道高校の校長だったが、そこに一人の転校生が...。その生徒の名は“野球十兵衛”。彼はとてつもなくケンカが強い“ケンカ野球戦士”だったのだ。
この野球十兵衛と星道高校ナインが活躍して悪裂卑劣な外道高校と試合をする滑稽無燈なストーリ。

もはや野球でもないのだが(劇中も結局野球はしていない)、とことんバカ騒ぎと暴力のギャグ漫画。
漫☆画太郎の独特な世界観を映像化するのは難しいと思うが、漫画を読んだことがある人になるほどなるほどとそのタッチが頭に浮かぶシーンも数々。読んだことがない人には何がなんだかさっぱりの演出だけどね。

主人公野球十兵衛を演じるのは坂口拓。格闘技に長けたアクション俳優みたい。イマイチ彼のキャストは役にあっていなかったように思えるが、そもそもこの漫画に合う役者がいないのだと思う。
他にはチビノリダーとして有名な伊藤淳史が助演。いつの間に大きくなったのやら、個性的な演技が光るのでこれからもどんどん活躍することでしょう。

ま、原作及び漫☆画太郎の漫画を知らなくても、一応映画は理解できます。だからといって何の足しにもならないかもしれませんが、これを機会に漫☆画太郎に興味を持ってみるのもいいかもしれませんね。
オマケとして短編「地獄甲子園外伝/ラーメンバカ一代」も上映されています。

次回は「ヤマムラアニメーション図鑑」をご報告します。