「マニトの靴」

22/Aug./2003

  

今回もまたテアトル梅田にやってきて観ましたのは「マニトの靴」2001年ドイツの作品。レイトショーのみの上映。
ドイツの映画とはまた珍しい。最近では「es[エス]」くらいだったかな。この作品は、ドイツ国内でなんと「タイタニック」を抜いて、過去史上最大のヒットした作品らしい。
内容もまた珍しくウエスタン。但しギャグ、パロディ、ミュージカルとなんでもありのごっちゃまぜのコメディ作品。

しかし、事前に聞く話しではあまりにもバカげた内容で、まともな作品ではないらしい。予告編を観ても、このバカげた下ネタギャグは今の日本人の感性には合わないんじゃないかなぁ...。
案の定、この日の観客は僕も入れても10人といなかったようだ、なんとも寂しい限り。さらに、この日は月曜日で公開初日から3日目だったのに「初日先着100名」に配られるというバンダナを貰ってしまいました(どういうこっちゃ!)。

さて、映画の内容はどうだったのか?
少なくとも予告編を観る限りは、本編はまだ少しマシだったか(正直、あの予告編じゃ何が何だかわからないからな)。

荒野の西部。
アパッチ族の青年アバハチと、白人のレインジャーは“血の誓い”をたてた義兄弟の仲。
アバハチはショショーニ族からお金を借り、そのお金で不動産業者のサンタ・マリアからパブの物件を買う。ところがその物件は見せかけだけのハリボテだった。アババチは騙されたことに気付く。
サンタ・マリアにまんまと金を持ち逃げされ、ショショーニ族からは命を狙われる始末。切羽詰ったアバハチは仕方なく、相棒のレインジャーと祖父の遺した財宝“マニトの靴”を探す旅に出る。

とストーリは一応あるものの、全編ギャグとパロディのオンパレード。
おまけに突然歌い出すミュージカル(僕は好きだけどね)有りと、とことんコテコテのコメディ作品だ。いろんな映画のパロディがあるようだけど、それだけ映画を観ていないと何のことだかわからないのは残念。
主人公のアバハチと、オカマの兄の二人一役をこなす主演のミヒャエル・ブリー・ヘルビヒは、ドイツで最も有名なコメディアン。本作の制作・監督・脚本もこなし、コメディアンらしい演技・トークと手練れたとこと幅も広い。香港映画でいうとチャウ・シンチーみたいなキャラかな。
もう一人の主人公レインジャーを演じるのはクリスチャン・トラミッツという人。ヘルビヒと名コンビを組むコメディアンぶりは、さしずめチャウ・シンチーとタメを張る2枚目のン・マンタといったところか。
その他脇を固める出演者にしても、それぞれ個性があっていい味だしている。 しかし、キャストは申し分ないのに、この映画がここまでバカげて今ひとつなのは、やっぱり下ネタやオカマキャラのせいかな。
ギャグとパロディばかりに走らず、もう少しキャラの個性を活かした動きのあるドタバタコメディに仕上ても、もっと楽しめたと思う。
最後のインディ・ジョーンズをパロったトロッコのシーンは不覚にも吹いてしまったけどね。
ま、よっぽどドイツに興味がないと誰も観ないような作品。興味があったらお立ち寄りください。

次回は「地獄甲子園」をご紹介します。