「担え銃」

21/Aug./2003

  

さて、また来てますOS劇場C・A・Pのチャップリン映画祭。
僕はいつも土日にしか観に来てないけれど、相変わらずの盛況ぶりです。
今回は戦争を題材にした作品2本を上映、先ずは「担え銃」1918年の作品です。実際当時は第一次世界大戦の真っ只中。チャーリーは今回は兵士に扮し、戦場で活躍するドタバタコメディ。この作品も40分ほどの短編ストーリー。

新兵として配属された部隊で、訓練を受けているところからお話しは始まる。 お馴染みのチャーリーが登場。今回はいつもの帽子、ベスト、ズボンといった紳士服では無く軍服姿、でもやっぱりズボンはダブダブでどこかおかしい服装だ。
銃もロクに構えられず、まわれ右もまともできない相変わらずのオトボケぶりを発揮。そんなチャーリも訓練が終わり、いよいよ前線へ。舞台は塹壕へと変わる。

塹壕での兵士の生活は厳しい。
いつどこに飛んでくるかもわからない敵の砲撃。また、ちょっとでも堀から頭を出すと狙撃されてしまう危険もある。たとえ豪雨の中でも、塹壕では気を抜くこともできない。時には家族から送られてくる郵便物に目を通す兵士達。そしていよいよ突撃の時、兵士達は皆並んで梯子の前に立ち構える。

この辺りは去年に観た「ザ・トレンチ/塹壕」という映画を思い出した。この映画は終始塹壕を舞台にし、戦場における若い兵士達の苦悩を描いた映画だった。塹壕の中では、本当に世界の全てが“塹壕”になってしまう。外の世界での出来事はすべて浮世事にしか過ぎないと思えてしまう。この場所で生き残ることだけが、今の全てになる。そんな中でもチャップリン映画らしく、さまざまなエピソードを実にユーモラスに描かれていて面白い。

敵陣への攻撃は見事に成功。
やがて、チャーリーも次なる任務が与えられる。それは敵のの本部へ潜入するスパイ活動。
樹の着ぐるみを着て扮装し、敵地に赴く。ドタバタのコメディコントなんだけで、モノクロフィルムというのもあってこれがまた風景にとけ込み、一瞬見分けが付かないほどなのは見事。そしてそのうちにまたまたヒロインにエドナ・パーヴィアンスが登場。戦争のあおりを受けて廃墟化してしまった家に住むひっそりと住む未亡人の役か。いつものようにやっぱりチャーリーは彼女に惚れてしまう。

物語は二転三転してようやくハッピーエンド?
なかなか楽しめた作品でありました。

続けて「チャップリンの独裁者」です。