「楽園の瑕」

05/Jul./2003

  

今回でレスリー・チャン追悼特集上映はおそらく最後。再び千里セルシーシアターにて「楽園の瑕」(94年香港、原題:東邪西毒)を観ました。「欲望の翼」「ブエノスアイレス」と同じウォン・カーファイ監督作品です。

レスリー・チャン、レオン・カーファイ、トニー・レオン、マギー・チャン、ブリジット・リン、カリーナ・ラウ、ジャッキー・チュンなどこれまた揃った凄い豪華キャスト。
しかし、今回の作品はいつも以上に増してまたかなり難解。これだけ豪華キャストを揃えた武侠モノの話なんだけど、結局どういうストーリだったのか、人間関係だったのか、人名ひとつ覚えきれなかった。それにまたしても途中で寝ちゃったしね(ウォン・カーファイ作品は結局全部寝てしまっている)。

というわけで今回は感想というより、「どんな映画だったの?」というのを後になって調べたものをご紹介します。

レスリー・チャンは後に“西毒”と呼ばれた剣士。
恋人(マギー・チャン)を愛していたが、修行の為彼女の元を去る。
しかし今でも恋人のことを忘れられず想い続ける。
刺客を紹介する仲介人の仕事をしている。
友人のレオン・カーファイは毎年尋ねてくる。

レオン・カーファイは後に“東邪”と呼ばれる剣士。
マギー・チャンにひそかに想いを寄せている。
彼女から過去を忘れるという酒“酔生夢死”を貰う。
カリーナ・ラウと一度浮気の関係を持ったことがある。
トニー・レオンとも友人でもある。
ブリジット・リンを誘惑する。

トニー・レオンは盲目の剣士。
愛していた妻(カリーナ・ラウ)が浮気したのを許せず旅に出る。
しかし今でも妻のことを愛している。
友人のレオン・カーファイが妻の浮気相手だったとは知らない。
レスリーに仕事の依頼に来た女(チャーリー・ヤン)に妻の姿を重ね、唇を奪う。
レスリーの紹介の仕事で馬賊と戦うが、やがて討ち果てる。

マギー・チャンは元レスリーの恋人。
しかし彼が何もいわず去っていった為、やがてレスリーの兄と結婚する。
それでも心はレスリーを愛し続けている。
その想いも届かず、やがて病死する。

ブリジット・リンは男装の剣士。
女でありながら男として生きる。
しかしレオン・カーファイに誘惑され、始めて女の心が芽生え兄と妹の二重人格となる。
兄は妹をたぶらかすレオン・カーファイを殺してほしいとレスリーに頼む。
妹はレオン・カーファイの命を狙う兄を殺してほしいとレスリーに頼む。

カリーナ・ラウは夫を待ち続ける女。
レオン・カーファイと一度浮気したことを後悔し、改心してひたすら夫の帰りを待ち続ける。
しかしトニー・レオンは帰ってこなかった。

ジャッキー・チュンは裸足の剣士。
レスリーに雇われ、靴を買えと言われる。
馬賊を次々と討ち果たす活躍を見せる。
妻が迎えに来たのでレスリーの元を去る。

こう書いてもなにがなんだか話はわからないように思える。
結局この映画にはこれといったストーリが無いからだろうな。ウォン・カーファイらしい、制作途中でキャストやストーリがコロコロが変わったようで、撮影だけでも二年かかっているとか。あまりに撮影が進まないので、プロデューサのジェフ・ラウが同じキャストにジョイ・ウォンも加えて(同じ小説を原作にして)「大英雄」というコメディ武侠作品を撮ったみたいですしね(これも観てみたい!)。

気軽に観れる作品じゃないけど、ひとりひとりの役者を楽しむのにいいかもね。衣装や映像は綺麗だし、レスリーも珍しく剣劇アクションで奮闘しています(映像が速すぎてよくわかりませんが)。

次回は日本、イラン合作映画「風の絨毯」をご紹介します。