「ブエノスアイレス」

09/Jun./2003

  

ちかごろめっきり暑くなってきましてもう6月。
またシネフェスタのレスリー追悼上映にやって参りました。今回は「ブエノスアイレス」(原題:春光乍洩)97年の香港映画。監督は「欲望の翼」と同じウォン・カーウァイ、主演はトニー・レオンとレスリー・チャン。お話はなんとトニーとレスリーの同性愛物語なのだ。

香港の真裏側にあたるアルゼンチンはブエノスアイレスが舞台。
喧嘩して、別れて、またくっついての繰り返しのトニーとレスリーの二人。ここでもう一度やりなおそうと、香港から逃げるようにブエノスアイレスやって来た。しかしここでも相変わらずのまた喧嘩、結局別れてしまった。でもまたレスリーはトニーのアパートに転がりこんでくる。「もう一度やり直そう」の言葉に、また二人はくっついてしまうのだ。

男同士ということを除けばそんな二人の恋愛(?)話なのだが、それにしても...。特に冒頭のベッドシーンは言葉もでないほどに壮絶! かなりひいてしまいましたが、それを乗り切ってしまえば後はそう目をはるような事もないでしょうか。
トニーは当初、この作品のオファーに「ゲイの役は出来ない」と断ったそうですが、監督に「違う話だから...」と半ば騙されてブエノスアイレスへやって来たらしい。それでいきなり待っていたのがこのベッドシーン。これでとうとう諦めたとか、このシーンの撮影後はだいぶへこたれたようです。

いやぁしかしこの映画は、トニーとレスリーの演技というか、その根性に恐れ入りました。主な登場人物もほぼこの二人だけ、後は途中で出てくるトニーの仕事先の後輩チャン・チェンくらい。彼の登場によって、トニーの心境が変わったということですがイマイチよくわかりませんでしたが(その辺りはまた寝てました)。ここは女性を登場させて、その女に惚れてしまうとか(カリーナ・ラウとか)、いっそのこと今度はチャン・チェンと結ばれるとか(それもいやだねぇ)、なんにせよ、最後まで救われない映画です。

トニーやレスリーファンなら一度は観ておく必見の名作でしょうかね。でもお一人で観ることをお勧めします...(二回目は観たくないなぁ)。

次回は「TAXi3」をご報告します。サイナラ