「愛してる、愛してない...」

26/May/2003

  

久々に仕事帰りに三番街シネマへ行って参りました。
ここで観ましたのは「愛してる、愛してない...」2002年のフランス映画。あの大ヒットした「アメリ」主演のオドレイ・トトゥが主演していることで話題の作品。
しかし三番街シネマ、公開されてからまだ一週間も経っていないというのに、この人の少なさはなんだ?

「アメリ」は夢見る女の子をメルヘンチックに描いた愛情劇だった。今回のこの作品も映画が始まってすぐにそうだと感じられる。
冒頭、オドレイが外科医の恋人との出会いの記念に1本のバラの配達を依頼するところから始まる。ボルドーの美術学校に通う彼女は、スケッチの授業でもモデルの顔を彼の顔に描いてしまう。彼の誕生日には、自作の絵を診療所まで届けた。休日には公園で子供と戯れる彼をスケッチしている。彼の事を考えるだけでオドレイは幸せなのだ。だからデートの約束をすっぽかされても、彼の事を想い続けることができた。

オドレイの役どころはアメリと同じようなところだと見える。
このメルヘンちっくな恋の物語はどうなるのか? 観客の大半はそう思って観ることだろう。が、この映画、前半の途中でオチが読めてしまったのだ! これは致命的、そうなると心は一気に興ざめてしまう。オドレイも空回りして、むなしいだけだ。

オドレイ・トトゥやはり「アメリ」の印象が強すぎたんじゃないでしょうか。その為に冷めた心でオドレイを見続けるのはツライ。これならもう少しネタを最後まで引っ張って、オチは一気にしめるように話しを上手くまとめてほしかったと思う。お話からすれば思いきって違う役者を起用してもよかったかもね。
「アメリ」あってこそのこの映画の知名度だったかも知れないけど、その「アメリ」があるために観客のある種の期待を裏切ったように思えてしまう。少なくとも僕は映画を観終った後にスッキリできなかった。これならガイ・ピアースの「メメント」ばりに難解な映画にしてもらわないとね。

映画としてはオススメできますが、オドレイ・トトゥとしてはあまり勧められないで しょうか。
他の出演者では外科医を演じるのはサミュエル・ル・ビアン、「ジェヴォーダンの 獣」の人。その弁護士の妻を演じるイザベル・カレは「クリクリにいた夏」に出ていた人ですね。

次回は動物園前シネフェスタでのレスリー・チャン追悼上映、「金玉満堂/決戦!炎 の料理人」をご報告します。