「トランスポーター」

14/Feb./2003

  

さて今回は梅田ブルク7にやって来ました。ブルク7は実に久しぶり、夜21:10からの最終回で観たのは「トランスポーター」。2002年フランス、リュック・ベッソン制作・脚本の映画です。

ブルク7といえどもやっぱり夜になると人が少ないね。前回来たのは「少林サッカー」だったから、実に半年以上経ってます。あの時はもの凄い人だったので、この劇場はなるべく来たくないなぁと敬遠してました。でも今回は人も少なく拍子抜け、やっぱりそう話題の映画でも無いし、平日の夜だからかな。当然、座席指定も無視していつものように前に座りました。

さてこの映画、主演はジェイスン・ステイサムという人。後で知ったのですが、この人昨年観た「ザ・ワン」や「ミーン・マシーン」にも出演していたらしい、全然気づかんかった。元高飛び込みのイギリス代表選手だったようです。そしてヒロインはスー・チー。いやぁこれまた嬉しいですねぇ、この映画を観にきた動機のひとつです。

映画のざっとしたお話。
フランク(ジェイスン・ステイサム)はプロの運び屋(トランスポーター)。彼には三つのルールがある。
一つは契約厳守、どんな依頼品でも迅速かつ正確に目的地に運ぶが、契約後はいかなる変更も交渉にも応じない。
ニつ目は名前は聞かない、依頼主も、届け先の相手の名前も彼にとっては聞く必要がない。
そして三つ目、それは決して依頼品の荷物を開けないことだ。

しかし今回彼はある依頼を受けたとき、その荷物の様子がおかしい事に気付いた。大きな黒い鞄、しかしその中には明らかに人間が閉じ込められている。そして彼はその時とうとう、自分に課したルールを破って鞄の中身を開いた。 するとその中には、手足を縛られた1人の女性(スー・チー)がいた...。

映画が始まると、いきなり繰り広げられるカーチェイスに息を飲み込まれる。10分はあろうかという長い時間に、次々とめまぐるしく変わるシーンと息詰まり、一気に映画の世界に引き込まれるのだ。この始まり方はいいね、運び屋とそれを演じる主人公を、一番わかりやすく表現しているからだ。

そしてフランクが次ぎに受けた依頼、この時に彼は掟を破って荷物の中身を開けてしまうのだが、その中身はなんと人間、それも手足を縛られた女性と一気に謎は深まるばかり。しかしそれでも彼は冷静だ、中身は観たが結局それでも依頼品を届けてしまうのだ。
そんな彼が、ここからいかにして冒険にひきこまれていくのかと気になるところ、と前半はこんな感じに進んで行く。ここまでは良かったが...。

後半はなんか拍子抜け。いったい運び屋としてのプロだった彼が、いかなる理由にしてスー・チーを助ける気になったんだ? そこんとこがちょっと曖昧というか、イマイチ心境がわからない。そりゃスー・チーなら頑張る気にもなるが、彼はそんな素振りはみせもしない。それになんだ、運び屋だけど、元軍人。もう殴る蹴るの格闘のプロで、違う映画になってるよ。おなじベッソン制作の「キス・オブ・ザ・ドラゴン」を思い出してしまったよ。映画が違うがやってることは一緒やでホンマ。
アメリカお得意のエンタテイメント映画みたいになってるし、「トリプルX」も思い出してしまったよこりゃまた。アカンでこんな映画、スー・チーも結局見せ場も無い、ただのお飾りだ。

でも格闘アクションはなかなかのもんですね、ジェイスン・ステイサム、彼は今後も気になります。またスー・チーにはまた今度「クローサー」で期待しましょう。そんなわけで、終わった後に首をかしげてしまった映画でした、やられた。

以上、本日オワリ!