「刑務所の中」

10/Feb./2003

  

再びやって来ました梅田ガーデンシネマで観たのは「刑務所の中」2002年の邦画。
原作は同名の漫画、作者は花輪和一という人で、この人はなんと実際に銃刀法違反で捕まり、懲役3年の実刑で刑務所に服役したという体験を元につづった漫画とのこと。主人公である花輪和一を演じるのは山崎務、他には他の服役者役に香川照之なんかが出演してます。

お話しは単純、日々繰り返される服役囚の生活を淡々と描いているもの。刑務所での1日、服役囚は朝起きてから、夜眠るまで、休みの日は何をしているのか。また刑務官とのやりとりや、所内の食事、入浴、そして仕事、懲罰房にいたるまで、ありとあらゆる囚人の規則と実生活を詳細に描き、また面白おかしく表現されている。
いやぁ、刑務所って、こんな生活なんですねぇーとなかなか勉強にもなる。よくテレビで刑務所のドキュメンタリーなんかがありますが、服役囚ってたいがい皆暗い顔しているような印象を受けてしまうんですが、この映画の登場人物はなんのその。悪事を働いた“悪い人”ではあるが、皆規則正しく、礼儀正しく、暴力なんかもっての他、なんか少年みたいにみえてしまうところがまた凄い。人間って、こうも変わるもんなんだなぁと感心してしまいました、でもやっぱり悪人、性根は変わってないんですね、そこのところがまた面白い。

映画はこれといってストーリがあるわけでも無く、淡々と話は進んでいきます。こまかなエピソードがなかなか笑わせてくれて、また刑務所という一般人には知り得ない世界がわかって楽しめるという映画ではあります。
しかし、2002年度のキネマ旬報(邦画のアカデミー)では、2位に輝いた(1位は「たそがれ清兵衛」)映画で、また助演の香川照之が助演男優賞を受賞したという作品なのに、どこか期待していた僕にとっては少し拍子抜け感じのあるお話しだったかな。

神戸の三宮アサヒシネマでも公開しております、この劇場の近くの三好食堂では、映画の公開期間中に“刑務所の中の食事”という特別メニューがあるとのことです(要時間確認)。

ではまた次回、サイナラ