「T.R.Y.」

16/Jan./2003

  

さて本日は天六はホクテンザにて「T.R.Y.」、2003年日本・中国・韓国の合作。
織田裕二主演の映画とあって巷では話題になってますね。
公開されたばかりで梅田ではブルク7で上映してますが、珍しくここ天六でも上映してます、僕はこっちの方へやって参りました。休日でもあるしいくら天六でもそこそこ人は入っているんだろうかと思ってたらやっぱり天六、全然人は入っておらず何時ものように寝に来た泊り客ばかりでした。

映画のお話し。
20世紀初頭の上海。欧米列強諸国、そして日本もこの広大な中国の利権を巡って進出するこの時代に、もはや腐敗した清朝政府は崩壊寸前、中国民衆の大半は貧困に喘いでいた。
そんな中、成金達を騙しては金を巻き上げるひとりの詐欺師がいた。名前は伊沢修(織田裕二)。世界7カ国の言語に通じ、鋭い感覚と巧みな弁舌で相手を騙す日本人の男だった。
今回も彼は上海の武器商人を騙して大金を巻き上げたところだったが、その復讐に放たれた刺客によって刑務所の中でも命を狙われる羽目となってしまう。 そんな彼の命を救ったのは、中国人の関飛虎(シャオ・ピン)、彼は清朝の打倒を目指す革命家のリーダーだった。伊沢の“技と精神 ”に目を付けた関は、彼の身を守ることを条件に、自ら進めている革命計画に伊沢を強引に引きようとする。
革命を起こすには武器が必要だ。
関は日本陸軍の中将、東正信(渡辺謙)が上海に運ぼうとしている大量の武器・弾薬を騙し取ろうという計画を考えていたのだ...。

とまあこういう具合に、舞台は上海から日本へ移っていくわけですが、この映画、20世紀初頭といっても、時代背景が写し出されたシーンはそうなくてわかりづらいといえばわかりづらいんですよね(そう気にならないけどね)。しかしこの映画は役者がなかなか好演、なんだかんだいっても織田裕二はやっぱり役者としても優れているし、関役のシャオ・ピンや伊沢の友人で韓国人のパク役のソン・チャンミン(ジャッキー・チェンにみえてしまう...)、その他東中将役の渡辺謙など、役者の演技はなかなか存在感がある。
日本人の織田裕二、中国人のシャオ・ピン、そして韓国人のソン・チャンミン、この3人が話す共通言語が日本語なんだけど、シャオ・ピンやソン・チャンミンの話す日本語はやっぱりわかりづらいかな。
まあその逆で織田裕二が話す北京語や韓国語もしかりなんでしょうが。

この映画の醍醐味は、やっぱり織田裕二演じる詐欺師伊沢修が東中将を騙すところ。けっこうこのトリックが安直というか無理があるんだけど、なかなか面白い。ただ映画では割とスピーディに描かれていて、展開が早くてわかりづらいところがある。後になってあぁ、なるほどと理解する節もあったり、また伊沢修を狙う日本の公安の警部の存在がほとんど意味なかったりと、けっこう端折られているような感じを受けるところがあります(原作を読んでないのでなんともいえませんが)。まぁ映画という1時間半の枠を考えればしかたないといえばしかたないか。最後の結末も現実味がわからんままに進んでしまって、やはりこれは当時の時代背景がつかみにくかったところによるかと思います。

織田裕二好きならもちろん、そうでない人にもそれなりに楽しめる映画ではあるでしょう(別にお薦めはしませんが...)。

1月はまだまだ面白い映画が続くようです。何を観るかは、またのお話で。 ではまたお会いしましょう...。