「バーバー」

28/Jun./2002

  

さて、ひさびさに観て参りました映画は、梅田ガーデンシネマにて「バーバー」。「オー・ブラザー」に続くコーウェン兄弟の最新作と、ミニシアターではわりと話題になっている映画です。
平日の最終回ながらも席は半分ほど埋りそうな感じ、なかなかの盛況ぶりに思えます。

この映画は全編モノクロフィルム。観る前はモノクロ映画というのにちょっと抵抗がありましたが、実際はカラーで撮影しネガフィルムに現像するという手法をとっているらしく、美しく映し出されていて全然気になりません。
バーバーというその名のとおり主人公は理髪師で、エドという名の中年男。舞台になっているのは1949年、北カリフォルニアはサンタ・ローザという町だ。
義兄の経営する理髪店で働くエドは無口な男。毎日ひたすらに客の髪を切る平凡な日々だ。

しかしこのエド、無口だけあって台詞が少ない。あまり会話をしないのだが、顔のちょっとした表情や仕草で気持ちが伝わってくる、それで相手にも伝わる。観ている僕にもその気持ちが伝わってくる。
全編通して、このエドを演じた役者(ビリー・ボブ・ソーントンという人)の演技ぶりに感激しました。
このエドが、ある事件を引き起こしやがて運命が破綻していきます。しかし物語はサスペンス劇風に描かれているのではなく、淡々と描かれていている。その中でエドはまるで感情が欠落したかのような素振りで、どこか現実離れした雰囲気をかもし出している。

なんとも、味のある映画だ。

ひょうひょうとして時間は過ぎていき、観終わった僕は劇場を後にして、外で夜空を眺めながら煙草をゆっくりと1本吸い出してしまいました。

7月に入ると「スターウォーズ」や「メンインブラック2」といった話題の映画も始まります。単館系ではここガーデンシネマで上映される「ノーマンズ・ランド」。他には、タイトルは忘れてしまいましたがまたインドの映画が上映されるようで楽しみです。
ではサイナラ