「ドリアン・ドリアン」

25/Jun./2002

  

なんだかよくわからない映画だ。

さて、この日はまた、仕事終わりに映画を観ようと梅田はガーデンシネマへ向いました。ここでレイトショーで上映しているのは、「ドリアン・ドリアン」という中国映画。
ドリアンといえばご存知、フルーツの王様と呼ばれるものの強烈な悪臭を放つという一品。僕は食べたことも匂いを嗅いだこともありませんが、この映画ではふしぶしにドリアンが登場します。

お話の内容としては、舞台はまず香港。
香港の雑踏の中、中国東北部・牡丹江という所からやってきたイェンという娘が主人公。イェンは3ヶ月の就職ビザの間、ひたすら身体を売ってお金を稼ぐ暮らしをしていた。香港の名所の一つである海洋公園も、彼女にはカレンダーの写真で眺めるだけ。彼女は毎日男達に呼び出されるまま、狭い路地裏を通ってホテルへと向う日々だった。
ある日彼女のボディガード役であるチンピラが、一緒に路地裏を歩いている時に、後からドリアンで後頭部を殴られるという事件が起こる。この事件をきっかけに、彼女は同じ路地裏で皿洗いをしていたファンという少女と仲良くなる。ファンの家族4人もまた、中国本土から香港にやってきて不法滞在している家族だったのだ。
お話の前半はずっとこのイェンの生活の繰り返し。香港返還前の中国を舞台に、これも香港の一部という姿が描かれています。

この映画の監督はフルーツ・チャンというそうですが、この監督は映像の撮り方が独特なのでしょうか。それともこの映画だけなのでしょうかね。なんかハンディカメラで撮ったような揺れる画面がよく使われています。またシーンのカットも少なく、最初はちょっと慣れるまで観づらかったですね。

さて物語りは後半へ。故郷の牡丹江へ帰ってきたイェンは、持ち帰ったその大金から一躍成功者として迎えられた。中国の東北の人々は、”南方”に憧れている。しかしイェンは、本当は香港で自分が何をしていたのかは誰にも言えない。
「もう南方には帰りたくない」と思うイェンは、友人、家族、さまざまな人達と出会いながらそこで新しい生きかたを探し始めた...。

前半の香港の雑踏と後半の故郷の静かな牡丹江が極端に雰囲気が異なり、別の映画と感じてしまうほど。
それだけに後半はかなり長く感じました。お話にも結論が出ないので観ていて疲れる映画です。2時間の上映時間ですが、1時間半に編集した方がもっと楽に観れたと思います。
あんまり薦める映画でもないので、今日はちょっと内容を長く書いてしまいました。

それにしても中国映画は面白い。
それに、最近よく起こる不思議な現象があります。それは中国映画を観た後は、映画館を出てから聞こえるまわりの話声がみな中国語に聞こえてしまうんです。この日も映画が終わって家路に着くまで、まわりから聞こえる声はすべて中国語に聞こえ僕の耳はもはや中華になっていました。
それはともかく、次は何を観ましょうか。東京の方では7月から9月の2ヶ月にかけて、「中国映画の全貌」と表して中国の映画100本以上を一挙に上映するという凄い企画があるようです。「少林サッカー」のトーナメントの試合、準決勝の相手チームでちょい役で登場した「天使の涙」なんかも上映されます。是非是非この企画は大阪でもやってほしい!しかしどう考えてもお金も時間も足りないだろうな。
それではサイナラ、再見!