ボルベール<帰郷> |
激しく、切なく、そして逞しい |
「オール・アバウト・マイ・マーザー」を観たのは00年のこと、梅田のテアトルだった。この作品で初めてペネロペ・クルスにお会いした。
何とも激しく、切ない。
この作品、ペネロペが主役なのは間違いはないのだけど、実は、彼女の妹ソーレ(ロラ・ドゥエニャス)こそが主役なのかもしれないな(この方「海を飛ぶ夢」でも存在感たっぷりでしたよね)。 親戚の葬儀に生まれ故郷に戻る。すると、もう死んでしまったと思っていた母親がひょとしたら生きているのかもしれないという話しを耳にする。一方、自分の娘にちょっかいを出した自分の旦那を殺してしまう。それを隠すために、閉店して売りに出ている近所のレストランを勝手にオープンさせてしまう。そして、母親と出会い...。
ここで描かれるのは、一つ。それは、女達の機知とたくましさ。 また、圧倒的な色彩感覚に酔いしれることも可能だ。明らかにボクが持っているものとは大きく異なるこの感覚は、映画で観るのにこそふさわしいと思わずにいられない。
観て楽しい作品なのかと問われると、答えは否なんだけど。もちろん、楽しいのか楽しくないかだけが映画の価値観ではない。そんな一方的な観方しか出来ない方にはオススメできないけど、様々な価値観を存在を認めることが出来る方にはオススメできるお話しだと思います。 おしまい。 |