傷城/Confession of pain/傷だらけの男たち

とてつもなく難しい、評価は出来ない



  

ソウルで香港映画を観る。これはなかなか得難い経験。
日頃の語学修行の成果が試されるわけだけど、当然のようにその成果は限りなくゼロに近いから、映画の中で喋っている広東語はさっぱり理解できないし、字幕で出るハングルに至っても、記号にしか見えない(理解する前に消えていってしまう)。う〜、我ながら情けない...。

この「傷城」、実は楽しみにしていて、全く前情報は仕入れていなかった。それが完全に裏目に出ることもある。とにかく、伏線に次ぐ伏線で、何のことやらよくわからない。
オマケに、暑いさなかさんざんソウル郊外を歩き回ったり、バスに揺られたりした後だけに、気持ちの良いエアコンの涼風に包まれて、ついついマブタも重くなりがちだったしなぁ...。

トニーレオンとカネシロタケシが主演している、刑事モノと言うよりも黒社会モノのような。
語られる世界は濃厚で、しかも緊張の糸を切らせてしまうと、その瞬間にこの映画の世界には付いていけなくなってしまう。
いや、そもそも、設定がムチャクチャややこしい上に、複雑怪奇。それに、時代が行ったり来たりで頭の中が付いていけない。

結論を言いましょう。
「日本語字幕付きで確認したい」 その確認が出来なければこの映画の評価はムリです。

そうこうしているうちに、日本でも上映が始まった。しかし、トニーレオンやカネシロ君ではなく、ハリウッドがディカプリオでリメイク決定ということにこの映画のプロモーションの焦点が合っているのは、いったいどういうことなんでしょう?
いやいや、そんな嫌味はさておき、オリジナルの香港版が国内でメジャー上映されることを素直に喜ばないとね。 ぼやぼやしていると、上映が終っちゃいそうですね。すぐに観に行きます、はい。

ソウルでは日曜の遅い夕方だったせいか、1/3程度の入り。
すっきりしたお話しではないだけに、なんだか、ボク以外のお客さんの足取りもこころなしか重かったような気がします。

おしまい。