エレクション

どうもな...



  

「どうもすっきりしない」
そんな思いを胸にしてスクリーンを後しにしたのはボクだけではないだろう(きっと)。もっとも、レイトのみの上映で、この晩のお客さんも両手で少し足りないくらいだったから、実はみなさんよくご存知だったのかもしれないけど...。

黒社会のトップを決めるのは自分ではなく、その社会を構成する長老たちが合議してその結果で決まる(のだそうだ)。
そしてある時期、実力が拮抗した二人の有力者が黒社会のドンの座を巡って激しく争っていた。ドンとして君臨するのはロク(サイモン・ヤム)なのかディー(レオン・ライ・カーファイ)なのか...。

映画を観るのは、夢やロマンを感じたり、驚いたり怖かったり、ドッキリしたり...。とにかく日々の暮らしでは味わえないような感覚をスクリーンに求めるのだと思う。そうだとすれば、このお話しには映画のお話し足り得る要素はあんまりなかった(ように思えた)。リアリティはあるのかもしれないけど、どうもなぁ。実際にはこうなのかもしれないし、それどころかもっとエグイのかもしれない。だけど、そのままではあまりにも夢がない。ボクにはそう思えた。
ルイス・クーやラム・シューが出ているものの、出演陣もどちらかというと地味目かな。地味でも芸達者が多いから、そんなにマイナスではないけれど、役者さんではなく演じるキャラクターにもう一つ魅力が感じられないのがどうもね...。

特に釣りに行くシーンがいただけない。
でも、これってひょっとしたら、今まで黒社会の描き方が美化されすぎていただけのことであって、本来の姿をリアルに描けばそのままだったのかもしれないね。どうなのかはわからないけど。
これまでも、そしてこれらからも、ボクは多分(香港の)黒社会と接触することはないと思う。だから、今まで映画の中で描かれたことの真偽は永遠にわからないのだろうなぁ...。(そんなことを思っていたら、ソウルで面白い事件が起こっている。これってなかなか面白かったですね)

今夜のチケット、実はディープ佐野(仮名)さんから前売券を頂戴しました。どうもありがとうございます。テアトル梅田、レイトなのに、何故かお年寄りが多かったですね。

おしまい。