シルク

来年も開催してくれるのかなぁ...?



  

続いてABCホールで拝見したのは台湾の作品「シルク」。
ホーラーでもなく、オカルトでもなく、かと言ってコメディでもない。なんだか中途半端な存在。
でも、素材は面白い。これは、ひょっとしたらとてつもなく面白い映画に仕上がる可能性もあったお話しなのに、なんだか訳がわからない作品になってしまっている。ほんとに“惜しい”と思った。
江口洋介を使うのは別に構わないし、セリフの一部に日本語を用いるのも、手法として悪くはないけれど、そんな小手先の味付けは全く必要なかった。
それよりも、もっと本質的なものを追求すべきでしょ!

このお話しの主題は二つある。
一つ目は、何か理解出来なかったけど、特殊なパワーを秘めた仕組みを発見することによって、普段は見ることが出来ないものを見ることが出来るたり、超人的なパワーを得ることが出来るようになったこと。二つ目は、人類史上初めて、お化けの存在を視覚的に捉えることが出来たということ。
どちらか一つでも映画が何本も撮れるテーマなのに、この二つを一本の映画の中に取り込む贅沢さなのになぁ...。惜しいと云うよりも、手際の悪さ、脚本の悪さに目が行ってしまう。

一時“華流”というキーワードの最先端を行っていた「流星花園」でツクシちゃんが研究員として出ています。映画を観終わってずいぶん経ってからようやくわかった(あんまり重要な役ではなかったけど)。いい役でチャン・チェンも出てます。この人にどうして無理矢理日本語のセリフが必要なのか、それもわからなかった。

とにかく、ホラーでも、カルトでも、コメディでも、そしてラブロマンスでもない。
中途半端でへんてこな存在。実験的な色合いが濃くて、そのまま。もう少し練ってあれば、長く記憶に残る作品となったかもしれないのになぁ...(もったいない!)。

こうして『第1回東京国際映画祭「アジアの風」in OSAKA』は終ったわけだけど、そこそこ入るABCホールに1/4程度の動員。しかも興行的にも作品的にももう一つの作品。東京の映画祭のふんどしのままで大阪に安易に持ってきても難しかったのか、それとも単に作品の問題だったのか。そのへんはよくはわからないけど、来年も続けて開催してくれるのかな? かなり微妙。ボクとしては、是非、続けていただきたいんだけどなぁ...。

この映画祭の帰り道。福島から環状線に乗るのも意味が無いので、新梅田シティまで出て、地下道を通って阪急の梅田駅まで歩く。 ありゃ、知らなかった。最近、リーブルもガーデンにもお邪魔していないと思ったら、なんと、貨物ヤードの下をくぐっていたトンネル。半分無くなってしまったのね。ちっとも知らなかった!
まぁ、トンネルでも地上でも、寒いのには変わりないけどね...。

おしまい。