おばさんのポストモダン生活

ふむふむ、マニア向けの映画ですね



  

東京へは時々お邪魔するのだけれど、早くて1〜2週前、遅ければ前日に決まることが多くて、東京で開催される映画祭に合わせて行くことは難しいし、だいち東京の映画祭は発売早々に売り切れることが多くて、急に決まってもまず拝見できない。
そんなこんなで東京国際映画祭だってぴあで上映される映画のラインナップを指をくわえて見ているだけだった...。
それが、どういう風の吹き回しかなんと『第1回東京国際映画祭「アジアの風」in OSAKA』 という催しが開催されました(果たして来年以降も第2回、第3回と開催されるのかは不明だけど)。発表されてからずいぶん時間がたってから前売りチケットを買いに言ったんだけど、哀しくなるほど若い整理番号。う〜ん、なんでかなぁ...。

それはとにかくこの日の3本目に上映される「おばさんのポストモダン生活」。ボクはここから参加。この日の1週前にあった「大阪アジアン映画祭2006」の時はコートなんかいらないほど暖かかったのに、一転して木枯らしが舞う冬空になっていて、吹きさらしのABCホール前は凍えるほど寒かった。油断していたボクはこの寒さにやられてしまって、この後風邪で寝込んでしまいました...。

アン・ホイ監督、先日拝見した「愛された記憶」に続いての登場。この方「女人、四十」の監督さんだとは知りませんでした。ヴィッキー・チャオも大事な役で顔を出してくれます。主演のスーチン・ガオワーは存じ上げない方だけど、相手役にはチョウ・ユンファ。豪華さでいえば、かなり豪華。
しかし、正直な感想は「???」。
ドラマ性やエンターテイメント性が高いわけでもなく、観ていて疲れるだけのお話しが展開される。う〜む、ムリして観なくても良かったかなぁ...。

現代の上海が舞台。
集合住宅に住むおばさんが主人公。具体的に何をしているのかは明示されないけれど、引退前には英語の教師をしていたのだろう(きっと)。今はリタイヤして悠悠自適の生活を独りで楽しんでいる(?)。
そんなおばさんを訪ねて、田舎から少年がやってくる。その少年から見ると、このおばさんの上海での生活は驚くことの連続なのか...。

退屈ではないけど、何も知らない人が観れば、この映画は何が描きたかったのかさっぱりわからないのに違いない。
いいのか、悪いのか。そんな善悪の判断もこのお話しは示さない。全て観る側に委ねられている。
このあばさんの上海での生活とは一体何だったのか。チョウ・ユンファが演じる謎の紳士(?)は? 隣のおばさんのこうるさい犬のあわれな末路にはどんな意味があったのだろう?
さらに、ヴィッキー・チャオの存在やラストの地方都市の自由市場は...。
現代の中国が抱える大いなる矛盾が手を替え品を替え描かれているのか...。

時折、クスっと笑える部分もあるけれど、エンドマークが出終わっても、頭の中は「?」が大きな渦巻きの中をグルグル回っているだけでした。きっともう一度拝見するチャンスに恵まれたにしても、この映画は理解できないやろなぁ...。

おしまい。