デザート(仮題)

ハイティーン向けの御伽噺?



  

今まで関西では、香港などの中華圏の作品がロードショー公開以外で上映される機会はそう多くなかった。それだけにこんな映画祭の存在は素直に嬉しい! これからも是非続けていただきたいですね。

この日の4本目は「デザート(仮題)」(原題:「後備甜心」it had to be you)。香港の作品。
主演はカリーナ・ラムにイーキン・チェンなんだけど、ボクの贔屓のエリック・ツァンもいい味出してます。

言ってしまえば、毒にもクスリにもならない、どうでもいいようなお話しなんだけど、素敵な掌品だとも言えますね。

あるレストランが舞台になっている。ここの腕利きマネージャー・ジル(カリーナ・ラム)が主人公。
引退を考えているオーナーシェフのエリック・ツァンが、自分の後釜に連れてきたのがもう一方の主人公ジャック(イーキン・チェン)。
二人は例によって反発しあうのだけれど、あることが発覚(?)して、やがて...。
そのあることというのがこの映画のミソで、ある意味上手く出来ているのかもしれない。まぁ、二人とも早く大人になってそんなこと気が付けよなって思わなくもないけど、まぁいいでしょう。
「ティラミス」は甘〜い御伽噺でレベルで言えば中学生向けで、ただうっとりするだけで良かったけど、今回の「デザート」はもう少し現実的、ハイティーンかそれ以上向けなのかもしれません。

カリーナ・ラムは以前の作品に較べたらお芝居も上手くなっているようだけど、ちょっと難しいお年頃になっているようですね。もう女学生でもないし、どうもあのかわいいぽっちゃりとした幼顔ではキャリア・ウーマン風にもなりきれていないしね。でも今後に期待です。
もっとも、ボクは香港を含めた中華圏の映画に関するアンテナは錆付いていて、次回はどんな映画に出ているのかさっぱり知らないんだけどなぁ...。
映画の終盤でのエリック・ツァンは必見で、彼の演技(?)の巾の広さにはただただ驚くばかりだけど、インパクトの割には必然性はそう高くなかったような...。

こうして「大阪アジアン映画祭2006」の1日目は終了。
会場が同じなので移動は無いにしても、一日4本というのは疲れます。
しかも、この日は同じ映画祭の企画としてシネヌーヴォで香港映画の「バグ・ミー・テンダー〜恋と友情の物語〜」と韓国映画「高校教師〜恋の教育実習〜」が、それぞれ一回だけ上映されていて、それはちょっと殺生な時間割。せめて一週はずらして欲しかった。確か、昨年も同じようなタイムテーブルだったような...。滅多にアジア系の未公開作の上映はないだけに、残念!
(実は、この晩は「Sad Movie <サッド・ムービー>」の試写会が京都で予定されていて、しかも、チョンウソンの舞台挨拶が急遽決まったので、韓国映画ファンの方はさぞかしお忙しかったでしょう...)

おしまい。