おばちゃんチップス

「飴ちゃん、あげよか」



  

まずテレビを見ないから「二時間ドラマの帝王」(船越英一郎)と言われても、誰のことかさっぱりわからんし、音楽も聴かないから倖田來未の妹と紹介されてもmisonoって誰、状態。やっぱり、幅広くアンテナを広げていないとあかんね。
何の期待もしていなかった。中途半端に時間が空いてもすることがないから、観ておこうか、そんな気持ち。それでもそこそこ会場は埋まっている。さすが2時間ドラマの帝王だけあるなぁ、なんて呑気に考えていたんだけど...。

大会社に勤めることにイヤ気がさして、途中下車。今更だけど、好きだった言語学の道を極めようと、関西にある私立大学の臨時講師の口を得て、単身大阪にやってきた男の物語り。
いささか拙く甘くもあり、そして夢物語りでもあるのだけれど、それはそれで“勢い”でカバー出来るのかもしれない。一気に観せてくれる。そして、かなり面白いんだから困ってしまう。

今時、幾らカネがないと言って、何でも屋の二階の一部屋を借りて下宿するおっさんもおれへんと思うけど、設定上それも仕方ないか。
通された部屋の窓を開けるといきなり隣のアパートのベランダで、そこに色っぽいおねえちゃんが住んでいるワケも無いけど、それも行きがかり上許す。
でも、惜しいなと思ったのが、麻衣子(misono)が修平(船越英一郎)に“なつく”のではなく、恋愛感情をもって寄り添う過程というかキッカケがボクにはもう一つ伝わって来なかったことかな。“頼る”というスタンスならわからなくもないけどな。
まぁ、それも強引さで何とかなるからいいでしょう。
各々、様々な問題を胸に秘めてお話しは進んでいく。その後は大円団に向かってまっしぐらなんだけれど、それもいいよね。

大阪のおばちゃんて、ボクは日々こんなもんやと思って接しているから、なんとも思わないけれど、関西以外に在住の方々にとってはどんな風に見えて、どんな存在だと思っているのでしょうね? あつかましいとか、えげつないとか、値切るんと気が済まへんとか、いろいろ思っているかもしれないけど。ある意味その通りかもしれない。しかし、それらは、大阪のおばちゃんのほんの一面にしか過ぎず、ほんまはきっといい人たちばっかりですよ。この映画でも、大阪のおばちゃん連中の真髄は伝えられていないと思う(まぁ、当たり前か)。
う〜。こうなったら、大阪のおっさんを舞台にしたお話しも映画化して欲しいよな。

そうそう、知らなかった割にはmisonoちゃんって、かわいらしくて。なかなかいいです。ちびっとだけファンになりました。はい。

おしまい。