Mr.BOO! 愛憎バトル(仮題)

そうか、ケイタイはどんどん乗換えるものやったんか!



  

お気軽な香港映画。武侠ものや黒社会ものもいいけど、こんな軽いノリのコメディだって文句なしに楽しい。
父と年頃の娘の微妙な掛け合いを描いたものだけど、そのぶっとび加減がやっぱり香港の映画だなと思ってしまう。写実的なものもいいんだけど、やっぱり映画は楽しんで、夢を見させてもらってナンボのもの。

主人公は有名作家らしいけど、行き詰まりここ何年も新作を発表していない時代劇(?)作家(もちろんマイケル・ホイ)。凄い大邸宅に住んでいる。そして娘(ミリアム・ヤン)がいて、彼女が勤める会社のプレイボーイ社長にラウ・チンワン。この3人が織り成すドタバタコメディ。
他にも執事役でホイ・シウホン、マイケル・ホイの彼女役で顔は知っているけど名前が出てこない女優さん(すいません)。
しかし、日本では知名度も高くないし、さほど注目もされていないけどラウ・チンワンって演技が上手いというか、芝居が出来る人だなぁ。こう言ってはなんだけど、改めて見直しました。コメディから刑事役まで、何でもこなせる巾が広い役者さんです。もっと評価されてもいいのにな。

「新しい携帯電話が発売されたらそれに乗り換えるように、どんどん女の子も乗り換えないと...」という台詞がたびたび出てくるのだけれど、なんだか説得力があるようなないような...。
そういえば、ボクの周囲でも若い人ほど驚くべき速さでケイタイをどんどん新機種に乗り換えてる! ボクなんてまだカメラも付いていないmovaを細々と使っているのに...。

もう一つ思ったのが、こんな作品(失礼!)でも、大陸の市場は意識して製作されてるんだなぁ。さして必要とも思えないけど、招待に応じて作家として大陸のテーマパークへ出かけて行き、そこでひと騒動起こしてしまうなんて。う〜、しかもキョンシー風のコスチュームも出てくるのだから何とも言えないね。

ボクはMr.Booシリーズを一作も拝見していないのだけれど、シリーズを通じて特にストーリーに関連性があるわけではなく、単にマイケル・ホイが絡んだ作品を同じようにMr.Booブランドの邦題を付けて連作のように見せかけていたようです。
実は、この前日に前夜祭的な催しとして『Mr. BOO! ミスター・ブー』(デジタル・リマスター版1976年製作)の上映があったんだけど、気が付いた時には前売りは完売していて拝見できませんでした(残念!)。そう遠くない時期にこのマイケル・ホイの再評価というかリバイバルがあるかもしれませんね。
いずれにせよ、休日の午前中にゲラゲラ笑いながら観る作品であったのかどうかは微妙。眠れない夜にこっそりと独りでビデオ(DVDではなくVHSのビデオ)をまわして見る、そんなテイストの映画のような気がしました。何故か。

昨年は「OSAKA ASIAN BEAT」の一環として「韓国エンタテイメント映画祭 2005in大阪」という名称で開催された映画祭。今年はさらに「東アジア規模」へと拡大したそうで、名称も「大阪アジアン映画祭2006」と変更され、更に開催時期もおよそ一月前倒し。昨年はチェミンシクの舞台挨拶で異様な盛り上がりがあって、今年はチャテヒョンの来日もあって話題も先行していましたね。
中華圏も大好きなボクにとっては嬉しい限りの映画祭。来年以降も期待しています!

おしまい。