エンター・ザ・フェニックス

これだけ楽しめれば、合格!



  

一時はすっかりなりを潜めていた香港映画。この春、心斎橋のパラダイスシネマ跡地にシネマート心斎橋が“アジア映画専門館”としてオープンしたのをきっかけに(?)、続々と上映される。ほんまに有難いことです。もっとも、ボクはいきなり「ディバージェンス」を観逃してしまっている。どっかでリバイバルしてください!

ボクは物覚えがあんまり良くなくて、あれだけ覚えていた香港の俳優さんの名前もどんどん忘れている。スティーブン・フォンがジャッキー・チェンの後継者としてかわいがられているばかりか、実は監督までしているなんて、ちっとも知らなかった。そう言えば、目元と口元が似ているような...。

なかなか面白い、よく出来たコメディだと思う。
どうやったらこんなプロットを思いつくのか不思議で仕方ないけど、これが映画なんやなぁ。

ある日、街を二分して抗争している黒社会の組織が二つ。深夜の市場で向かい合っていた。何かの事故が発端になり一触即発。しかし、そこで身を挺して和解させた男がいた...。
それから数十年。その男があの世に旅立とうとしていた。この男の直系の子孫が組織を束ねている間は、もう一つの組織も手を出さない約束だったが、血筋が断たれるともう一つの組織に飲み込まれてしまう。番頭親子は、それこそ血眼になって親分の息子を探しに...。

親分の息子にダニエル・ウー、もう一つの組織の親分の娘にカレン・モク(しかし、まだ娘役が出来るんや!)、ダニエル・ウーのルームメイトにイーソン・チャン、組織の番頭にロー・ガーイン、その息子にチャップマン・トゥなどなど、顔ぶれは豪華。監督デビューを果たしたスティーブン・フォンも出演しているし、最後の最後にジャッキー・チェンもちらりとね。
その他、気が付いた人はニヤリとしたと思うけど、ニコラス・ツェーも出てきたしサム・リーやサミー・チェンまでお出ましとは...。

とにかく、理屈とかは関係なく、観ていておかしくて楽しくて、観終わってスッキリ。やっぱり映画は楽しくないとあかんね。サービス精神もたっぷり入っています。
必見というレベルではないと思いますが、香港映画が好きな方なら、観逃す手はないと思います。もっとも、シネマート心斎橋での上映はとっくに終了しています(ごめんなさい!)。

おしまい。