サプライズ

イビョンホンの微笑に ウォンビンの目 チャンドンゴンの鼻



  

ちびっと生意気な表現をするのなら、「悪くはない掌品」って感じかな。
シンハギュンとイヨウォンの主演。
イヨウォンって「子猫をお願い」での少々意識が強くて、それが哀しい女の子ヘジュの印象が強いけれど、調べてみたら「アタック・ザ・ガス・ステーション!」にも出演していたんだ。スタンドでアルバイトしているおませな女子高生役だったんですね、気が付かなかったなぁ。その他には暮れに韓国で拝見した「クァンシクの弟クァンテ」でも印象に残る演技をしています。

美容師をしているハヨン(イヨウォン)は高校時代の友人に頼まれ、空港に人を迎えに行くことになる。ただ迎えに行くのではなく、その友だちの婚約者であるジョンウ(シンハギュン)を20時に開始されるパーティまで理由を告げずに引き止めておくというミッションが課せられていた...。

まぁ、しかし、大作ではない。でも、本当に愛すべき掌品なのだ。
下品ではなく、バカ笑いするのではなく、ウィットに富んで、思わずニヤッとしてしまう。頬が緩むようなお話し。
どうしてかって? それは、シンハギュンの地味さと、イヨウォンの悩める姿が絶妙に味を出しているからだと思う。結局は最後も予想の範囲内なんだけど、爽やかな印象を残してくれるんだ。
考えてみたら、ほぼ24時間の間に起こったことの再現ドラマ。ボクたちは知らず知らずのうちに、ハヨンと一緒になって仁川(インチョン)からソウルまでを一気の駆け抜けている。
だからって、何が起こるわけでもなく(いや、いろんなことが起こるんだけど)、そしてこのパーティが終わってから何がどうかわるのかもわからない。でも、あったかい気持ちになれて、そして思わずハヨンに声援を送りたくなる...。

シンハギュンはちょっと難しい俳優さん。
ボクにとっては「ガン・アンド・トークス」のイメージが強い。飄々と明るくてコメディタッチのイメージ。が、その後は「JSA」「地球を守れ!」「天国からの手紙」「マイ・ブラザー」「ウェルカム・トゥー・トンマッコル」と、ずっとシリアスで、ある意味謎めいた役柄が多い。こう見返してみると、何とも凄い作品ばかりに出演しているんやなぁ。
今後は個性的というよりも「いいお兄さん」って感じの役でスクリーンでお会いしたいです。

その他にもボクの贔屓のコンヒョンジンがそれなりの役で。これまた活躍を期待しているコンヒョジンがハウンの友人(同僚)で出ています。リュスンスも出ているそうですが、これは気が付かなかった、後で調べて気が付きました。

まぁ、難しいことを考えずにご覧になってニヤッとする、そんな作品です。
上映の時間帯が、真面目な勤め人には事情に都合悪い設定だったのが残念な作品。これで、今年の韓流シネフェスの紹介はおしまいです。来年も是非開催していただきたいですね。楽しみにしています!

アンニョン!