モルタデロとフィレモン

イギリス女王をここまでパロっても大丈夫なのかなぁ?



  

今回お邪魔したのは、個性的な作品を多く上映してくれたユーロスペースがかつてあった場所に新しくオープンした映画館。名前は「シアターN渋谷」。ユーロスペースは昨夜お邪魔したQ-AXビルに移転して今も健在。
チケットカウンターの位置が変わったけど、ロビーの雰囲気はそんなに変わらない。今回は手前のスクリーンだっだけど、劇場内のシートアレンジは以前と同じ、すなわちあまり快適とは言えない。奥のスクリーンでは「ホテル・ルワンダ」が上映されていて大勢の人が並んでいた。ここは人が多いと、前の人の頭が邪魔になって仕方ないのになぁ...。座席数を減らしてでももう少し環境を改善してもらいたいものです(それとも、奥のスクリーンは改装されているのかな?)。
でも、ボクがチョイスした「モルタデロとフィレモン」は20名弱の入り、しかも整理番号がすごく若かったので、最前列の真ん中に陣取ることができました。手前のスクリーンは、ここが特等席だと思います(奥のスクリーンの最前列はそうでもないけど)。

全く予備知識なし。
スペインのコメディというか、お馬鹿なお話しらしい、と言うことは、大傑作かそれとも途中で寝てしまうか(帰りたくなるか?)どっちかやろなぁ...。

何をして「面白い」と感じるのか。笑ってしまうのか。もちろん個人による差異はあるし、そのときの環境や精神状態にも大きく左右されると思う。それに、その人がどんな文化圏で育ってきたのかにもよるでしょう。
この映画を観ながら、笑ったし、面白いとも思ったけど、この映画がスペインの映画興行成績を三週間で塗り替えるほどだったと思えたかというと、そんなことはなかった(残念ながら)。結局、笑いのツボが違う、文化が違うってことなんかな。

お話しをここで紹介するのはあまり意味がないような気もするけど、ちょっとだけ。
のっぽとチビの全く冴えない中年スパイコンビが主人公(この二人がモルタデロとフィレモンなのね)。今日もドジを踏んで、局長はカンカン。そんな時に研究所では、人のヤル気を奪い去るという画期的な秘密兵器DDTの開発に成功。その実験途中にこともあろうにこのDDTが賊に奪われてしまい、敵対するドクサイ共和国に売り渡されようとしていた...。二人を全く信用していない局長は海外から凄腕の情報部員フレディを呼び寄せ、彼にDDTの奪回を命じるのだが...、って感じ。

こんな秘密兵器を開発する能力があれば、世界制覇も夢ではないと思ってしまうほど、この研究所は幾つかの素晴らしい開発に成功している。人間コピー機、気象変化機、説得マイク、靴電話などなど。いずれも、効能の割には信頼性が低そうな貧相なマシンなんだけど、しっかり機能して、これらは見ていて面白い。
登場する人物は誰をとってみても、ドジでマヌケなんだけど、愛すべく人たちばかり。
モルタデロとフィレモンを中心にわけがわからないドタバタを演じていくんだけど、なのにボクの心はどんどこ醒めていく。何でかな?

原作は、国民的人気コミックだそうです。主演の二人も国民的お笑いの方なのかな? どうなんでしょう?
とにかくかなりアクが強い作品であることは間違いありません。きっと寝てしまう方はいらっしゃらないと思いますが、くだらんギャグの連続に癖々してしまう可能性はありますね。最初から最後まで、まるでノンストップのジェットコースターに乗ってしまったような感覚になれたら幸せでしょうが、二人がドクサイ共和国に乗り込んでいくあたりから中だるみが...。

大阪では、もう少ししたらガーデンでレイトのみの上映予定があるようです。
あんまり数多くは上映されないスペインの作品だけに、観逃すとひょっとしたら後悔することになるかもしれませんょ。

おしまい。