ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR

ブレードランナーとマトリックスを足して割ったような映画です



  

「ちょっと変わったロシア映画が来るらしい」そんなウワサが耳に届いた(何も、変わっていなくてもロシア映画が公開されるのは年に1本あるかどうか)。

それもカルト系らしい。
「ナヌ! ひょっとしてあの名画「ギンザザ」のように、観る者がドギモを抜かれるようなお話しなんだろうか?」期待を胸で大きく膨らませながら、岩屋へクルマを走らせる。ウカウカしていると上映が終わってしまうかもしれないもんね。
「ギンザザ」とも、ボクガ勝手に想像していたものとも違うテイストだった。でも、アイデアというか着眼点は悪くない。おしなべて画像がダークで汚い(綺麗ではないという程度だけど)ことを除けば、正直云ってンなかなか面白かった!

地球上に人類が誕生したときから、ノーマルな存在とは別に“異能者”が存在していたのだと言う。異能者は普通の人には見えない部分で活動し、地球のバランスを取っているのだ。そして、彼らは二つの存在に分類される...。
まぁ、普通に考えれば、とんでもないナンセンスなストーリーなんだけど、みるみるうちに物語りに引き込まれ、最初の伏線がしっかりラストに生かされる展開。やや大風呂敷を広げすぎたような印象も受けるけど、SFものはこれくらいでちょうどいいんだ。
全篇にわたって手作り感がふれていて、それが親しみやすいと受け取るのか、チープだと思うのかは紙一重。これをどう受け止めるかによってこの作品への評価は微妙に異なってくる。もう一つ、あまりにストーリーが特異なゆえか、あんまりいい役者さんは出てないのも確かですね...(これも評価が分かれるとは思うけど)。

ロシアの普通の人たちがどんな生活を日々送っているのか、それを知る機会ってほとんどないけど、この作品の中で垣間見られるのはいい。それに、地下鉄の中ってどこの国でも同じようなものなんだねぇ。それがわかるだけでも観る価値はあるかな?
話しによると、続編がロシアでは既に製作・公開されており大ヒットしているとか。それが日本でも公開されるのJかどうかちびっと気になますね。

おしまい。