忘れえぬ想い |
DY1314 |
中国語で「汽車」は、日本語では「バス」のこと(ちなみに、日本語の「汽車」は「火車」)。
甘いお話しだ。
大型のバスではなく、ミニバス(「小公共汽車」や「マウルバス」)は企業が運営していると言うよりも、個人がやっているのだろうなと思っていた。その分、小回りがきいて、スピードもガンガン出す。ほとんどの場合、運転手も車掌も制服は着ていない(もっとも大きな路線バスでも、制服を着ている運転手をあまり見たことないか)し、呼び込みに余念がない。乗る側は、次に出発しそうなバスはどれかを的確に選ぶ選択眼が必要になる。この手のバスは、基本的に満員にならないと出発しないのだ。
シウワイ(セシリアチャン)は、ミニバスのオーナー兼運転手のマン(ルイスクー)と口を利くようになり、やがて愛し合うようになる。結婚して、彼の連れ子ロロ(原島大地)も一緒に住む家も確保した。そして、結婚を目前にしたある日...。 あちこち綻んでいるのに、そんなことはわかっているのに、知らず知らずのうちに物語りの中へ引き込まれてしまう。思わず「上手い!」。 そして、いつの間にか忍び寄っている(?)、ファイ(ラウチンワン)の影。これが下心見え見えなら、ゲスな野郎にしか過ぎないのだけど、ファイ自身がスネにキズを持っているだけに、付かず離れず、最初は影から、その後も控えめに距離を置いて見つめている彼の姿に好感が持てますね。「あゝ、ラウチンワンってこんな役もこなせるんや」って、密かに驚いてしまいました。
何度も言いますが、ストーリーはところどころが無骨。でも、視線の優しさと演技の的確さのお陰で、素晴らしいお話しに仕上がっていると言えます。人によっては涙なしにはご覧になれないかもしれません(ボクは泣かなかったけど...)。 おしまい。 |