カリスマ脱出記/The Legend of Seven Cutter

ボクは山じゃなくてチャミスルが好きです



  

今回、釜山に初めてお邪魔して、何だか垢抜けないなぁとか年寄りが多いな(若い人が少ないな)と思っていた。でも、それは初日に南浦洞とか国際市場などがある旧市街をうろついていたからで、翌日、西面(ソミョン)の繁華街を歩いてみて、初日の感想が誤りだったとわかった。釜山にももちろんセンスがいい若い人はたくさんいる。
そのソミョンにあるロッテ百貨店の上にロッテ劇場と言うシネコンがある。ロッテシネマは本編の上映前にかかるロッテシネマのアニメがかわいくていいですね。劇場としては特筆すべき点がないというか、個性がない普通のシネコンです(同じフロアにあるCDショップはちっともヤル気がないのが強いて言えば特色かな?)。

韓国の映画では、少々の誤差はケンチャナで30近くてもどんどん高校生役を演じてしまうのが凄い(こないだも「波浪注意報」でチャテヒョンが高校生を演じてたしね)。ここでも「アンタちょっと無理やろ」と言いたくなるようなアンジェモが高校生役を開き直ってなりきっている。

韓国では苗字の種類がそう多くない。20〜30の苗字で国民の90%以上をカバーできてしまう(らしい)。すると、当然のことながら同姓同名もそんなに珍しくないことになる。しかも、普段ではまず漢字で表記することはないから、漢字が違っても、発音が同じだったらハングルでの表記は同じということになる。だから...。

それは伝説の名前。
雨の中の対決、カッターナイフを片手に一人で20名以上を相手にして勝利を収めた。

ある高校に一人の転校生(アンジェモ)がやって来た。彼の名前こそチョンハンス。
その名前にびびっているのは何も生徒たちだけではない、教師もそして校長や教頭までもが震え上がっていた...。
でも実は一番困っているのはハンス自身。何の因果か伝説の番長(?)と同じ名前がために、言葉を交わす以前にいつも相手が震えている。こんな状態では、授業をもともに受けたり、友達を作ることもままならない。転校したこの学校でも今までと同じことの繰り返しなのか?

新しい学校で待っていたのは、ボクシング部の女子部員(ユンウンヘ)と、悪ガキの三人組にいじめられっ子、そしてお色気ムンムンの英語の教師と学年主任などなどの多士済々。こんな面子が揃ったら何か起こらないわけがない?!
学園モノにお決まりのドタバタが繰り広げられる。

確かに笑えるし、面白いのには間違いないけど、正直云ってもうひとつ。
大丈夫なんかなと思っていたら、彼らが修学旅行(臨海学校?)でフェリーに乗ってチェジュへ行くあたりから俄然と動き出す。本物の伝説のチョンハンスガが偽者征伐(!)へ乗り出し、一方では別口の新たなロマンスが芽生える。
幾ら年を喰った高校生とは云え、皆で行く旅行はやっぱり盛り上がるなぁ! 手に汗は握らないけど、ふらっとしてホロっとする。そして最後には美しくオチが付く。ありがちなお話しですが、まぁこんなものではないでしょうか。
それ以外にも、シモネタ、ゲロネタ、クソネタといろいろ突っ込みどころに事欠かないお話しではありますが、まぁ許容範囲内ということで、笑って(?)済ませましょう。これでますますイイダコの踊り喰いには食指がそそられること間違いなし?!
それにしても、コスプレ...。こんな弟がいたら...。

アンジェモやユンウンヘがこれから日本で大ブレイクすれば別ですが、そうでなければ劇場公開はどうでしょう? どこかの映画祭で上映される可能性はあるでしょうが...。
原題は「カリスマ脱出記」ですが、英題は「The Legend of Seven Cutter」。映画を観終わった時点で、どちらのタイトルも理解できるけど、「伝説のセブンカッター」とした方がいいかな。

次回は早々とソウル中心部での上映が終了してしまい、議政府まで追いかけて拝見した「超韓流大作・デイジー」をいよいよご紹介する予定です。

おしまい。