頭文字〈イニシャル〉D THE MOVIE

今すぐ、群馬のスタンドへ行きたい!



  

この日の4本目。 そのうちの2本がコミックを原作にしているから、この日は『コミック・ディ』ですね。
上映終了が近づいて、お尻に火がついてから、ようやく拝見して来ました「頭文字〈イニシャル〉D THE MOVIE」。もちろん、字幕版。

そうか、群馬に行けば、広東語で話しかけてくれるガソリンスタンドがあり、日常会話に広東語を話している高校があるんだな。豆腐屋だって、広東語が通じるんだ! 羨ましい! ボクが群馬へ行ったときにはそんなことなかったけど、今すぐ群馬に飛んで行きたい(きっと行かないけど)。

いつも観ている香港映画のノリのような面白さがあるわけではないけれど、日本のコミックが原作だし、ある程度(いや、かなり?)その原作に忠実に作られているそうだから、それも仕方ないかな。
ただ、主要な登場人物は香港の俳優達で固められている。どうして舞台を日本にしたのかな。香港でもいいのに。香港でも西貢から黄石のコースとか結構それなりに走れそうな道もあるんだけどな。警察からOKが出なかったのか。それとも、もっと他の理由があったのでしょうか?

原作のコミックを読んでいないので「走り屋」のお話しだとは知っていたけれど、どんなストーリーが展開されるのかは知らなかった。
古いカローラ・レビン(ハチロク)を駆って家業の豆腐を毎朝配達している高校生が、赤城山(?)の山中で毎週末繰り広げられるダウンヒルのトライアルに、嫌々ながら(?)参加することになり、毎回勝ち続ける。若くしてそんな伝説の「走り屋」となる。
親や友人、そして女の子との葛藤も描かれている。いわゆる青春物なのですね。同級生の女の子との淡い恋の終わりは、少し残酷のような気がします。

お父さん(アンソニー・ウォン)がイイ。一体、いつ豆腐を作っているのでしょう? お金は大丈夫なのか? そんないらん心配をしてしまう。基本的にいつも酒を飲んでいるか酔いつぶれているか。アンソニー・ウォンが畳の上に座って一升瓶を抱えて酒を飲んでいる、畳に敷いた布団の上で大の字になっていびきをかいている...。なんか不思議な気がしました(えらく、新鮮な気もしました)。こんなシーンが見られるのも、舞台が日本だからなんですよね。
ランサーやスカイラインGT-Rなんかが出てくるし、全く持って理解に苦しむ役で小春ちゃんやチャップマン・トゥが出てくるのもご愛嬌なのでしょう。

香港映画として観たときにどうかは微妙だけど、そこそこ楽しめる作品だと思います。日本を舞台にした「恋戦OKINAWA」よりずっといい出来だと思います。まぁ、将来までも語り継がれる作品ではないでしょうけどね。
それでも、普段の香港映画では決して見かけないような人がたくさんお越しになっていたのは嬉しい限り。これをきっかけにして、香港映画に興味を持っていただけたら嬉しいな。

ボクは同じ日に「ベルベット・レイン」も拝見しただけに、ショーン・ユウとエディソン・チャンの変わり身の速さには驚くばかり。さらに言うとジョイ・チョウがあんまりかっこ良いように見えなかったのは、ボクだけなんでしょうかね?

しかし、一月も前に拝見した映画を今頃になってせっせと書いているようでは、ほんまにアカンね。すいません。

おしまい。