パセリ 

派谷恵美だけじゃなく、みんな次回に期待!



  

ボクが好きな映画に「非バランス」という作品がある。2001年の夏にひっそりと公開された邦画で、監督は富樫森さん。
ボクはこの作品をいたく気に入って、二度も観に行った。監督はもちろん、この作品で主演した派谷恵美(はたちやめぐみ)も小日向文世も大好きになった。
その後、富樫監督もこひさんも新作がぼつぼつと出て活躍しているのに、派谷恵美はどうもぱっとしない。02年の春に「世界の終わりという名の雑貨店」という、ダメダメ映画には出ていたけど、さっぱりだった。それ以降、はっきり言って彼女のことをもう忘れかけていたところに、この「パセリ」の記事を読んだ。
ロゥティーンの女の子は難しい。思ってもいなかったほど変身するかもしれないし、そのまま消えていくかもしれない。ある程度の年齢になって出会った上野樹理だと「チルソクの夏」からは考えられないほど成長しているんだけど...。ちょっと、恐る恐るって感じでナナゲイのお邪魔しました。

もう少し見守りましょうか。そんな気がした。少なくとも、今回のこのパセリという役は彼女には合っていない。
もし、パセリの役を「猟奇的な彼女」のチョンジヒョンのような女の子が演じていたら...。そりゃパクリやと糾弾されていたかもしれないけれど、もっともっと面白い作品になっていたと思う。だから、派谷恵美がどうのこうのではなく、彼女のキャスティングがちょと間違っていた。もう少し、弾けた芝居が出来る子の方が良かったと思う。

メジャーデビューを夢見て千葉の田舎から上京した一輝。夢を掴みかけたかに見えたが、マネージャーの友引に金も運も持ち逃げされてしまい、それから3年。今では夢を追いかけるのも忘れかけていた。そんな一輝の夢枕(?)に現れたのが、一輝のファンだという女の子。一輝の心を込めた歌声をもう一度聴くまで成仏できない。だから彼のもとに化けて出たわけだ。
紆余曲折の後、一輝はパセリの生家を訪ねることになり、彼女の真実を知ることになる。そして、パセリのためにそして自分のために、かつての自分の姿を取り戻し、公園で唄い始める...。

正直、お話しそのものはたいしたことがない。観ているこちらをグイグイと話しの中に引っ張りこんでいくほどの強引さもない。どこか上っ滑りして、心に響かない。設定は悪くないのに惜しいな。芝居(役者)が悪いのか、それとも演出に切れがないのか...。
次回に期待するのは派谷恵美だけではなく、この監督もそのようですね。
今回はフィルムでの上映ではなく、プロジェクターを使っての上映でした。たった一週の上映、それも仕方ないかな。

おしまい。