僕の彼女を紹介します/windstruck

ヴェールに包んだまま、お正月まで待ちましょう


  

ごっつい、ものごっつい期待を持って映画を観に行くことは、そうそうあることではない。年に何本かあるだけ。

チョンジヒョンが、クアックジェヨン監督と組んでスクリーンに帰ってくる。これをごっつい楽しみと言わないで、何を楽しみと言うんや?
ところが、ソウルへお邪魔することが決まってからwebで調べてみると、どこのシネコンや映画館でも「ヨチンソ(僕の彼女を紹介します)」を上映しているものの、スクリーンは一つだけ。MEGABOXでは「シュレック2」や「霊」が複数のスクリーンを使って上映されているのに...、何故、なんで?

この日は、朝から北朝鮮との軍事休戦ライン(DMZ)の手前にある臨津江(イムジンガン)から都羅山(トラサン)へ汽車に乗って行ってきました。
気動車に揺られて、のんびりと田んぼの中を走る。梅雨なのに気温はそんなに高くなく、薄曇り。
この京義線DMZツアーは、なかなか思うところがあったのですが、そのお話しはまたいずれ...。
ソウルまでの帰り道、汽車が都羅山駅を出発する前、シートに座るなり眠ってしまい、目が覚めたのはもう新村(シンチョン)の手前。
この分断された京義線の駅はとても綺麗な駅名が多いのが特長でしょう。お時間があれば、一度お出かけになってもいいのではないでしょうか?
ソウル駅8:50発で、戻ってくるのは16:00過ぎになるので、一日仕事になってしまいますけどね。

で、汽車を新村(ソウルの一つ手前)で途中下車。
地下鉄で言うと、新村と梨大(イデ)の中間あたりになりますね。今夜は新村で知人と夕食の予定になっていたので、ここで映画を観る。時間は調べていないけど、ミドリ劇場かグランドマート(ここも名前が変わってるやんか!)の上で、ちょうどいい上映時間でやっているだろうとアタリをつけていた。
すると、ミドリ劇場の100メートルほど東側に新しいシネコンがオープンしているではないか! 知らんかった!

その名前は“arteon”。
ここでも「ヨチンソ」は一つのスクリーンのみでの上映。やっぱり、ちょうどいい時間のがあった。まずチケットを買う。チケット売場の上にあるモニターでは、各映画の各回の残席数が表示されているのが親切。日本でもこんなサービスすればいいのにね。

ボクはこの映画を凄く楽しみにしていたので、各メディアに溢れるほど露出していた情報には、出来るだけ触れないようにしていた。
それでも耳に達していたのは、監督がクアックジェヨンであることと、チョンジヒョン、チャンヒョク(「火山高」の兄ちゃんね)が主演していること、そしてチョンジヒョンが警察官であること、ぐらいだったかな。

まず、出来ればこの映画を観る前に「猟奇的な彼女」は観ておくことをオススメしておきます。あの映画の延長線上にこの「ヨチンソ」は存在する。
すなわち、監督はチョンジヒョンを念頭に置いてキャラクターを設定して、この映画の物語りを作ったに違いない!
だから“猟奇的な彼女”が、大学を卒業して、就職した先が警察署だった(のかな?)。今回はちゃんとヨンジンという名前が付いています。
そして、ボクたちはチョンジヒョンが演じるヨンジンに対して、微塵も違和感を持つことなく、スンナリと受け入れることができる。

冒頭、カンナム(ヨイド?)のビル街。夜景が広がる。ヘリコプターから俯瞰しているカメラは、ある高層ビルの屋上の端に佇む女性を捉える。
そして、その女性は最後の一歩を踏み出す。

この衝撃的なオープニングに度肝を抜かれるのは、ボクだけではないでしょう。
だって、映画が始まってまだ5分も経っていないのに、チョンジヒョンはいきなり死んでしまうの?

場面は一転して、カメラは街の中にある銭湯から出てきたヨンジン(チョンジヒョン)を捉える。彼女の前をおばさんが「待て〜!」と叫びながら走り抜けていく。そのおばさんを見送る彼女は、空き缶を拾い、おばさんの前を走っていく男に向かって投げるのだが...。
これぞ、チョンジヒョン! 待ってました!

ここからは、意外に真面目な恋愛が展開される。でもお話しは“観てのお楽しみ!”にしておきます。
楽しみにしている人も、そうでない人も、05年のお正月映画として公開されることが決まっているこの「僕の彼女を紹介します」。あんまり、前情報なしにご覧になることをオススメします。
ボクも、お正月に必ず字幕付きで拝見します。「クラシック」の時みたいに「???」とならなかったらええんやけどね。
だけど、果たしてどんな邦題が付けられるのか、楽しみなような...。

「ありゃ」って思うか、それとも「やっぱり」と思われるのかわからないけれど、いろんな人がちょろっと顔を出していて、ニヤっとされることは間違いなし!
それにしても、キムスロって、こんな役ばっかりやなぁ。一度真面目な役で、もう少し長く見てみたいような気もするけどなぁ...。
チャンヒョクは、想像以上に良かった!

次回は、この映画もほとんど上映が終わっていた「フェイス」をご案内する予定です。お楽しみに!
※今回も映画に関係ないお話しが長くてスイマセン!

おしまい。