「ホストタウン エイブル2/HOST TOWN able2」

その一歩を踏み出すことが大切


  

急に東京出張の話しが出てきて「行きたい!」とわめいて、東京へ行くことになった。こんなことも珍しい。無事に(?)任務を果たし、その晩は東京で泊まる。
東京でしたいことは、サンフレッチェのアウェイのゲームを応援するか、映画を観るか。この週のサンフレはホームにヴィッセルを迎えるので関東でゲームはない。じゃぁ、映画を観るか。
東京ですごす晩は、この春に東京へ異動になったモリアキ総務部長とさのぴょん(仮名)と楽しくインド料理。韓国で鍛えられて、辛さは慣れているつもりだったけれど、またタイプが違う辛さ。大陸と韓国も種類が違うけれど、インドも違うなぁ。インドも広いから、北京料理や広東料理があるように、パンジャブ料理やムンバイ料理があるんだろうな。日本に入っているインド料理は、どの料理なんだろう? 一度現地に行って真髄を極めてみたい(気もするけど、その前に胃腸をやられそうだ)。

久々にお邪魔するシアター・イメージフォーラム。前は何を観たのかな、そうそう台湾の「きらめきの季節/美麗時光」だった。あの時も地下のスクリーンだった。割と観やすい映画館。
場所は知っているつもりだった...。半蔵門線に乗ったのはいいけど、何を勘違いしたのか「青山一丁目」で降りてしまった。地上に上がる前から「ちょっと、変やな?」とは思っていたのだけど、もう遅い。時間がたっぷりあって助かった。青山通りを渋谷に向かってずいぶん歩きました。※本当は「表参道」が正解です。

2002年の夏に拝見した「able エイブル」の続編(続編とするには、ちょっと御幣があるかな)。最初はカタカナで表記されていたので気が付かなかった。
ダウン症と自閉症の二人の日本人青年が青年が米国のアリゾナ州でホームステイする様子を描いたドキュメンタリー。この二人の姿もそうだったけれど、二人を迎えるホストファミリーの姿に感動した。
この前作を受けて、今作では2003年6月にアイルランドのダブリンで開催されたスペシャルオリンピックスに参加した日本選手団を受け入れたホストタウン、ニューブリッジ、この街に住む障がい者を持つ家族を中心に描いているドキュメンタリー。

映画として観たとき、今作は登場人物が多くて、物語りとして少々散漫になっているのは仕方ない。しかも語りが主人公一家の父親バディの一人称で始まるのに、中盤以降、語りたいことが多くなりすぎて交通整理が出来なくなってしまっている。一体誰が語っているのかわからなくなってしまう。
また、前半にあるエイミーの兄による無理な語り、それに対する彼女の涙はどうなんだろう? 中盤にある自室でのリンジーの語りもどうなんだろう。必要なかったような気がする。

まぁ、そんなことは、この映画の価値を落とすものでもなんでもない。
この映画は、前作でもそうだけど「知らなかったことを教えてくれる」。そういう意味でとっても大切な立場にあると思う。
リンジーと開会式に行くために列車に乗り込む。数年前までなら考えられなかったことだとバディの言葉が重なる。教会でエイミーが足を洗ってもらう(何かの行事ですね)、教会ですら障がい者は受け入れられていなかったらしい。ほんとうに知らなかった。
今でもそうだけど、ボクは何も知らない。積極的に知ろうともしていなかったし、誰も教えてはくれない。
翻って、日本ではどうか。最近でこそ車椅子の方が電車に乗っているのも珍しくなくなったけれど、バリアフリーにはまだまだ遠い。お寺や神社などに段差がないところなんてないよ。車椅子で得度を受けられたり、御祓いを受けられるところはどう?
問題はそんなに目に見えるハード面だけではないと思う。

障がい者の方が、同じ人間として生活していくうえでのハードルを乗り越えるための努力を本人やその家族・関係者だけに任せている。もっと社会全体が変わらないとあかんねんなぁ。
今日から、その一歩を踏み出すことが大切。

まだご覧になっていない方は、是非ご覧下さい。
別に難しい理屈を言っているわけでもないし、主義主張を押し付けられるわけでもありません。構えず、自然にご覧になって欲しいですね。そして「自分に出来ることは何か」を考えてもらえたらいいと思います。
シアター・イメージフォーラムではもうしばらく上映中。残念ながら関西での上映予定は未定のようですが、前作のようにシネ・ヌーヴォか、それとも七藝あたりで上映されるような気がします。
「able エイブル」も各地の催しで上映されているようなので、チャンスがあれば、是非!
この日のお客さんは、残念ながらパラって感じでした。

おしまい。