「みなさん、さようなら」 |
最期をどう過ごすのか 笑って迎えたい |
かの「たそがれ清兵衛」をおさえて(最初から勝負になっていなかった?)、アカデミー賞外国映画賞に輝いた作品。
まず、これが説明が極端に少ない映画。現在の状況しかり、過去のいきさつしかり。でも、混乱することなく、なんとなくわかっていくのだから、映像は凄いというか、上手く撮られているんですね、この映画は。
廊下にも入院患者のベッドがあふれかえり、その廊下で電気工事が始められる。スキャンの検査も機器の故障で数カ月から半年から待ち。
「死」という重苦しい現実を直視しながら、その「死」をいかに心地よく迎えるのか。そんなことがテーマになって物語りは進んでいく。 この映画が、そう重くなく、どちらかと言うとカラっと仕上がっているのは、レミ本人ではなく、息子のセバスチャンに視点が置かれているからだろう。 セバスチャンはクールで計算が出来る男だ。あれこれぐずぐずとは考えない。今自分が父親にしてやれることは何かを見抜ける男。そのために必要な手を次々打っていく。その姿には驚かされる。無理強いもしない、米国の病院への転院を進めるが、それがイヤだとわかれば、今の病院に豪華な病室を作ってしまう。
楽天的で、ちょっと(かなり?)女たらしのレミ。 セバスチャン自身も、新しい人生をちょっと垣間見たような...。 ほっと溜息をつきたくなるような掌品。
この日のガーデンシネマは満席。ちょっとびっくりしました。 おしまい。 |