「H[エイチ]」

ヌカにクギ


  

このところあんまり体調がよろしくない。
慣れない力仕事系をしていて、腰を痛めてしまった。先月も何かの拍子に腰を痛めたばかりだというのに。どこかが痛くなると(最近は腰ばかりだけど)、その痛みが新鮮なうちに、もう20数年来の付き合いになる接骨院へ行く。
「おぉ、どうした?」そして、“えいやぁ”ってずれた骨を入れなおしてもらう。不思議なもので、この“えいやぁ”でピタリと痛みは治まる。ボクにはこれが合っている。
この“えいやぁ”の前に、身体を柔らかくするために、電気治療とぶるぶるをしてから、全身按摩器のような装置のお世話になる。この全身按摩器がとても気持ちがイイ。あまりの気持ち良さに、よだれが出てきそうになる。先生に「これ欲しい!」と云ったら「ええけど、900万円もするで」と返事。宝くじでも当たらないとムリだ。

さて、続いてテアトル梅田で拝見したのは韓国映画の「H[エイチ]」。

この日はもう撤去されていたけれど、ここテアトルで「気まぐれな唇」を上映していたとき、ロビーで韓国映画のチラシやポスターが売られていた。
韓国では日本のように、劇場で映画のプログラムやグッズは売っていない。その代わり(?)に置いてあるのはA4サイズのチラシ。それも、A4ペラではなく観音開きになっていたり、開けばA2のポスターになるものなど、結構工夫してあるものが多い。だいたいチケット売場や待合室(?)にどんと置いてあり、もちろんタダ。そのチラシがテアトルで500円で売られていたわけだ。
どっかの業者さんだと思うけど、凄いなぁ。ボクが持っているちらしは、タンスの肥やしになっているので、買ってくれないかな? まぁ、それはイイとして、誰が買うのだろう?

すいません。余談が長くなってしまいました。

この映画で見覚えがある顔は、「クラシック/ラブストーリー」でジュナを演じていたチョスンウ。それと個性的脇役のソンジル(最近では「初恋死守決起大会」でへんてこなヤクザの親分、「新羅の月夜」では屋台の大将だったような...)。
主演の女刑事ミヨンのヨムジョンアは「Tell Me Something/カル」に出ていたそうだけど、残念ながら全く記憶に残っていない(あの映画は、ただひたすらシムウナさまだけを観てたからなぁ)。今回も主演を張るにはあまりにも寒い演技だった(と思う)。それと若いカン刑事役にチジニ。本来はこのカン刑事が主人公でしょう。

ストーリーは何とも怪しげで、「Tell Me Something/カル」を思い出させる。要は猟奇的(日本語的な意味でね)な連続殺人事件が起こり、その犯人を追い詰めていくというお話し。
それが、結構エグイ映像なんかも出てきて、そのエグさが逆に映画そのものを安っぽくしているように思えて仕方なかった。もちろん「ヒィヤ〜!」と背筋が寒くなる映像もあるけれど、それに対する肉付けがなされていないから、それだけで終わってしまう。
最後のオチに至っては「何だかな」と思わざるをえない。こんなオチを用意しているのだったら「今までのは何やったん?」って感じ。
恐怖心を盛りたてようとしているのはよくわかるけれど、それはパーツ、パーツがおそろしかったり、リアルであったりするだけでは駄目で、そのベースになるドラマの部分が弱いと“糠に釘”状態。

唯一の良かったところは、一度釜山に行ってもいいかなと思ったことぐらいかな。

チョスンウがそこそこ人気しているので、ビデオ・DVDになると思いますので、気が向いたら借りてみてもいいかもしれません。チョスンウは「クラシック」や「春香伝」とは全く違った顔を見せてくれますよ。
テアトルでの上映は終了してしまいました。

おしまい。