「ルビー&カンタン」

ボクは納得出来ないぞ!


  

ようやく春めいて来たかと思っていたら、また寒さがぶり返す。それでも確実に季節は巡り、気温も上がってきた。“春眠不覚暁”とはよく言ったものだ、夜明けは早くなっているのに、ここ数日続けて目覚まし時計に起こされている。暖かくなって気が緩んでいるのかな。

JR神戸駅にあったオーガスタプラザがいつの間にか名前をプロメナと名前を替えている。ここにあったabシネマも経営が代わりシネカノン神戸になった。以前を含めて、ここで映画を観るのは初めて。三宮アサヒシネマがなくなれば、今後は訪れる回数も増えるかもしれない。映画館そのものは水準以上だと思うけど、ビルがどうもなぁ。まだ若いビルなのに今のままだとほとんど“廃墟”。
で、拝見したのはフランス映画の「ルビー&カンタン」。気が付けば梅田での上映は終わっていた(最近、ほんとうに観逃しが多い!)。ジャン・レノが出てるし、コメディタッチのようだし、偵察の意味も含めて神戸まで行って来ました。

が、これって何かおかしい!

何か隠された意味があるのか、それとも経済的な理由だったのか、はたまた、続編狙いなのか?
ラストがあまりにも唐突。最後の10〜15分の端折りぶりはどうも解せない。それまでの快調なペースは姿を消し、余りにも性急なご都合主義的なエンディング。観ているの者を欲求不満に陥らせることが目的だったのかなぁ。

ダークサイドの親分から女を掠めて、しかもたまたま居合わせた強盗現場から現金を頂戴してしまったルビー。刑務所(拘置所?)に収監される。ルビーから情報を引き出したい警察、持ち逃げされた現金を奪い返したい親分一味。ここにいても双方から狙われている彼は、ダンマリを決め込み一言も喋らない。
一方、間抜けな強盗に入って「アイス・エイジ」を上映中の映画館で捕まったのがカンタン。口から先に生まれてきたように、のべつまくなくおしゃべりしている男。
刑事は喋らないルビーとお喋りが停まらないルビーを同室にした...。

この二人が脱獄し、間抜けな親分一味と警察が追いかける。
二人はカンタンの故郷へ逃げ、一晩を廃業したパブで過ごすはめに...。

正直って、ここまでは「イイ」。テンポもいいし、演出も歯切れ良く、かつて好きだったクルーゾー警部を思い出していた。
ところが、ここからがどうもな。おかしい。折角張った伏線が生かされずに、無視されるか、プツプツと音を立てて切られてしまうのは何故?

この筋立てにフランスのお客さんは納得したのだろうか? 教えて欲しい。ボクは納得出来ないぞ!

また、カンタンを演じているジェラール・ドパルデュー。この人、以前にも観ているけど前はもっと「巨人」のようだったような...。
それと、一人で二役演じ、伏線のまま映画から姿を消した謎の美女。なかなかいいよぉ。またどこかでお会いしたいですね。

おしまい。