「飛ぶ教室」

原作を読んでみたいな


  

相変わらずの忙しさと体調不十分を言訳に、1月はあんまり映画を観ることが出来なかった。
まだ「武士」も「シービスケット」も「約束の9000マイル」も観ていない。そうこうする間にもどんどん新作が公開されるのに!
特に今年は、これからなんと30本(!)ほど韓国の作品が公開される。せっかく字幕付きで向こうから来てくれるのに、うかうか観逃がしてはいられない!

で、この日は久し振りに連戦の予定を立てる。その一本目は、初日の初回。ドイツ映画「飛ぶ教室」。
チラシを貰っただけで、予告編も観ていない。まさか初日サービスの鉛筆セットに目が眩んだわけではないだろうけれど...。ガーデンまでの道すがら、競馬新聞もただで配っていたしなぁあ。もちろん両方ともしっかり受け取りましたけどね。

なかなか前評判は良いみたいですね。
主人公の男の子が、昔日のマーク・レスターに似ているような気がするなぁ。そんなことを言っていると年がバレそうだけどね(まぁ別にバレてもいいけど)。ケストナーの原作を読んでみたくなりました。

少年合唱団で有名な寄宿制の学校へヨナタンが転校してくる。今まで6校も退学処分になっている。今度こそ退学にならないようにしなくっちゃ。この学校で、ヨナタンと同じ部屋になった5人の悪ガキ(?)どもの騒動が、なかなか温かい眼差しで丁寧に描かれています。
しかし、こんな学校へ通うということは、子供の頭が良いことはもちろんだけど、それ以外に最も大切なのは親の並外れた経済力。ちょっとやそっとの金額ではないはずだ。なのに、この学校の不思議なところは、寄宿生組と通学組が同居しているところですね。言葉では表現されないけれど、この両者の格差は凄いよ。そりゃ、お互い反目しあう訳や...。方や、私立のエリート、方や地元の公立組。仲良くなれそうも無いね。そのへんの矛盾を抱えながらも、物語りは進んで行く。

合唱団のお話し、ちびっこでいつも女々しい役を振られる少年の自立(?)、そして通学組の少女との淡い恋心...。これくらいの年齢の少年には様々な事件が次から次へと起こっても不思議でも何でもないもんね。
まぁ、その一つひとつをここで紹介するわけにはいかない。
僅か数週間の間なのに、少年たちは様々な経験をし、友を得、そして確実に成長する(なんとも羨ましい限り)。そして友情や人を愛すること、信じることの大切さを学ぶ。
それに較べて、我が身の淋しさよ。もう何年も同じ職場に居るというのに、ちっとも成長していない。あるのは嫌なことばっかりだ(いやいや、これは以上はもう愚痴になる...)。
正直言って、大した事件は起こらなくて、タイトルになっている「飛ぶ教室」もインパクトには欠ける。ストーリーは弱いけど、子供たちがかわいいから許してしまうって感じでしょうか。

今まで観た映画とはちょっと切り口が違うけれど、夢も希望もたっぷり詰まったこの作品。お時間があれば是非劇場へ足をお運びください。
いまさらだけど「点子ちゃんとアントン」「エミールと探偵たち」「ふたりのロッテ」なんかも観てみたいですね。
しっかり鉛筆セットを頂いて、九条へ急ぎました。次回はこれも初日の初回だった「美しい夏キリシマ」をご紹介します。

おしまい。