「夏休みのレモネード」

かわいい子供たちが活躍する掌品


  

ボクのようなどの宗教にも帰依していない人間にとっては「いいお話しだなぁ」で済むけれど、カトリックやユダヤ教の信者にとってはどうなんだろう? ちょっと気になる(一応、お盆には真言宗のお坊さんがお越しになるけどね)。

ピートはシカゴに住む小学生。8人兄弟の下から3番目。この夏休みが終われば3年生に進級する。終業式の日に担任のシスターに呼び止められる。「このままだと、あなたは地獄へ落ちる」と(ほんまに、人騒がせなシスターやで)。

困ったピートは兄に相談する。すると、物知りの兄は聖人を例に出し「異教者を改宗させれば、天国へ行けるのだ」と教えてくれた。ピートは自分が天国へ行くために作戦を練る。
こう書くと、バリバリの宗教もののように思われるかもしれないけど、ピートの家庭はいたって普通だし、彼を取り巻く環境も、彼の行動や思考もそんなに特殊なものではない。
この後、展開されるのは心温まるドラマだ。キリクといいこのピートといい、子供の純真さには逆らえない、いや心が洗われる。

だけど、普通は改宗する人なんていないよね。そう思うのは大人の発想で、子供はそうでもない。ピートはユダヤ教の教会へ出かけて行く。ここで知り合ったのはラビと彼の息子ダニー。
ピートはこのダニーとたちまち仲良くなる。そして彼が白血病にかかっていることを知る。ピートはダニーが天国へ行けるように二人だけで洗礼を行い、聖体拝受を受けるために二人で決めた「十種競技」のクリアを目指す。この辺が残酷と言うか、天真爛漫。他の大人たちはダニーをそれこそ腫れ物に触るように接するんだけど、ピートはあくまでも普通の友達としてダニーと遊んで(?)いる(それに、あまり宗教的な側面は出てこないのもイイ)。
最後の10番目の競技、遠泳には観ているこちらが冷や冷やしてしまう。白血病の子供に泳ぐことを強要していいのか?

ラビとピートの父親(珍しく理解の無い頑固者)とのやり取りなどで、サイドストーリーでそこそこお話しを膨らませておいて、いきなり結末がやって来る。

ボクは不勉強で、なおかつ宗教色の無い学生生活を送ったので、キリスト教にもユダヤ教にも全く疎い。この映画を観ても正直「ピンと来ない」部分が多かった。
「ユダヤ教には天国は無いの?」ってな具合。一度、何か本を読んで勉強します。

決して「爽やか」なだけではないのだけど「ピートやラビのような心を持った人ばかりだと、この世の中、きっともっと平和になるのになぁ」そんなことを考えてしまいます。
ピートもダニーもごっついかわいいよ。

まずまずのオススメです。もうしばらくは新梅田シティのシネ・リーブル梅田で上映しているハズです。
現在、ネリーブル梅田ではウルトラマンも上映中で、この日は「握手会」ウルトラマンが来場していました。子供の熱気がムンムンで、ちびっとビビった。ウルトラマン恐るべし!
初日の初回で50名ほどのお客さんはちょっと淋しいかな。皆さん賢明で、プレゼントに心を動かされた人は少なかったのか...(いただいたレモネードは何だかラムネのような味でした)。

次回はユオソンの「チャンピオン」を紹介しますね。

おしまい。