「ヤマムラアニメーション図鑑 vol.1 Aプロ」

今もあのリズムが耳に残る


  

前回のBプロでは睡魔との闘いに一部敗れたけど、懲りずにAプロに挑戦。
劇場の入口ではオバサンが一人、観るかどうしようか迷っていた。結局この方チケットを買って入場したものの、上映が始まって10分ほどで退室してしまった。こんな人もいるんやなぁ。きっと窓口で「カネ、カエセー!」というやり取りがあったんやろなぁ。最初から観いひんかったらええのに。

まぁ、それはともかく、この「Aプロ」の方がずっと親しみやすい(わかりやすい)作品が揃っていたと思います。
順にご紹介して行きましょう。

「遠近法の箱」1990/4分
ちょっとよくわからなかった。早くも暗雲がたれ込めるか...。

「キップリングJr.」1995/14分
ヤマムラ・ワールドを彩るのは間違いなく音楽だ。特にマーチのような躍動感溢れるリズムを刻むこの音楽。子供だけでなくこちらも胸がワクワクしてしまう。子犬(?)のキップリングJr.は、そんな楽団に思わず付いていってしまう。ふと我に返るとそこは知らない街角だった...。ほのぼのと心があたたまる作品ですね。

「キッズキャッスル」1995/5分
これも楽しい作品。おもちゃと一緒に遊ぶうちにおもちゃの世界に入り込んで...。楽しい夢を見て下さいね。

「カロとピヨブプトーおうち」1993/4分20秒
これって怪しい、なんて思いながらついついヤマムラ・ワールドに引き込まれてしまう。ある寒い日、怪しい鳥(?)のカロとピヨブプトーがお家を作ろうとする。そこへバクシが通りかかって...。

「カロとピヨブプトーサンドイッチ」1993/4分20秒
カロとピヨブプトーはサンドイッチを作る。出来たサンドを持って二人(?)はピクニックへ出掛ける...。

「カロとピヨブプトーあめのひ」1993/4分20秒
カロは今日お空を魚が泳いでいたとピヨブプトーに報告するが、ピヨブプトーは信じない。そんな二人の空想は広がってどんどんヤマムラ・ワールドは広がる。二人は気が付かないけど、窓の外ではお魚さんたちが空を泳いでいる...。

「どっちにする?」1999/10分
髪の毛が伸びている子供のワニ(?)。散髪に行こうか、それとも痛む歯を診て貰いに歯医者に行くべきか。両方ともイヤだ。ボクは遊びたいんだ。でも、歯が痛い...。ちっちゃな子供が観ても充分楽しめるテーマと仕上がり。

「頭山」2002/10分
そうか、原案は落語だったのか。正直言って今までのヤマムラ・ワールドとはちょっとテイストが違う。めんどくさいとサクランボの種を吐き出さずに一緒に食べてしまった男の頭のてっぺんに桜の木が生えてくる。ちょんぎってもちょんぎっても生えてくる。めんどくさいからそのままにしておいたら、いつのまにかそこは桜の名所になって、春には花見客がどっと押し寄せる騒ぎに...。
アニメならではの見どころたっぷりの作品。考えてみたら、人の頭にどっと人が押し寄せるなんてありっこないんやけど、そこを違和感なしに上手く見せてくれる。お見事!
寓話性は認めるけど、ほのぼの感はないな。ヤマムラ・ワールド、子供向けの作品の方がボクは好きです。

それにしても、凄い。
チャンスがあれば一度ご覧くださいね。映画館へ行けそうに無い方はここでもその一部をご覧になれます。
シュールな感覚がお好きならBプロを、子供向けのストーリー性をお求めならAプロをオススメしますが、時間が許すなら両方ご覧になった方がいいと思いますよ。
千里セルシーシアターでは19日まで。神戸アートヴィレッジセンターでは8月13日〜26日。京都の日本イタリア京都会館(東一条チャオ!シネマ)では10月に上映があるようです。

おしまい。