「エデンより彼方へ」

ぶっとびメロドラマ?


  

久し振りに訪れた三番街シネマ。いつの間にか全席指定席になっていたのね。知らんかった。拝見したのは「エデンより彼方へ」。この映画、予告編とは随分印象が違う。
主演は「ハンニバル」でレクター博士と対決しボクの顰蹙を買ったジュリアン・ムーア。彼女、「ハンニバル」「めぐりあう時間」よりもこの「エデンより彼方へ」が断然似合っている。見直しました。
時代は1940年代?50年代? 衣装もクルマにも目を見張らされる。「Far From Eden」のタイトルの出方なんか凄い。感動的であります。

この映画にちょこっとだけで大事な役で出てくる、おせっかいでおしゃべり、それでいてちょっと恐い顔をしたオバさん。この人、名前も知らないけど、主役ではなく時折ちょろっと出てくる。気になっているねん。いい味出しているよなぁ。

ジュリアン・ムーアの衣装がどれもこれも凄い。季節が秋から冬にかけてのワンシーズンだけなのが惜しいほど。春や夏の服も見てみたよね。

ストーリーは言葉で説明するのが困難なほど入り組んでいる。
裕福な家庭(しかし、コネチカット州ってどこにあるの?)、この家庭がガラガラと音を立て崩れていく様子が丹念に描かれている、とでも言いましょうか。
崩壊する理由が、表面には出てこないもののどんな家庭にでもありそうなこと、なんかでは無く、ちょっとぶっ飛んだ理由。時代が時代だけにね。ちょっとびっくりするよね。
サイドストーリーとして人種問題も描かれていて、この二つの話題が並行して語られる。
ただ、この二つのテーマを組み合わせて一つの映画にするのはちょっとムリがあるような気がするなぁ。旦那のねたに絞ってコメディタッチにするか、裕福な白人主婦と黒人の庭師との心の触れ合いを描いた文芸大作にするか、どちらかにすれば良かったのに。二つのテーマの融合ではピントがずれてしまったような気がするなぁ。

「Far From Eden」ってキリスト教圏の方には恐らくなんか特別の意味があるのでしょうね。

おしまい。